(2013年11月1日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
アフリカ経済をけん引するガーナの現状について手掛かりを探そうとすると、首都アクラに掲げられたスイスの高級腕時計ウブロの巨大看板に目を奪われるだろう。洗練されたショッピングセンターやホテル、集合住宅が続く町並みは、過去10年の平均で7%の経済成長を遂げた同国が前途洋々だとの見方を強めるかもしれない。
だが、他の財政指標に目を向け、ガーナ人が生活費についてこぼすのを聞くと、それとは異なる実情が浮かび上がってくる。
ほぼ3年前に始まった石油生産で財政基盤は強化されるはずだったが、経済は脆弱性を見せ始めている。ガーナは地域初の米ドル建て国債を発行するなど、海外投資家を引きつける「アフリカ・ライジング(アフリカの台頭)」のシンボル的存在だった。その状況が今や転換点を迎えている。
■IMFが初の警告
国際通貨基金(IMF)は31日、アフリカ諸国は外国投資家への依存度が高く、金融ショックへの脆弱性を増しているという初の警告を発した。経済状況の悪化を感じ取れば、海外マネーはすぐ流出するからだ。
欧米系格付け会社フィッチ・レーティングスは10月17日、ガーナの信用格付けをBプラスからBに1段階引き下げた。財政赤字の拡大で「政策の信頼性が大幅に弱まった」と警告し、国債返済負担の増大に注意を促した。一方、燃料、水、電力の価格高騰を背景に、労働組合はストライキを予告している。
アクラのビジネス情報コンサルタント会社の担当者は「ここでは沈着なムードが漂う。外側から見えるガーナの姿は明るいが内情は違う」と話す。
マハマ大統領率いる政権は財政懸念という逆風を受け、野党から経済運営の失敗を非難されている。マハマ氏の政党、国民民主会議(NDC)は2010年、労働者の士気を高め、サービス水準を向上させようと新たな公務員給与制度を導入した。その結果、11年から12年に政府の支払う賃金総額が47%増え、今では税収の70%以上を占める。昨年12月の大統領選を前に他の財政支出も増えたため、財政赤字は11年の国内総生産(GDP)比4%から12年末には11.8%に拡大。計画のほぼ2倍に達した。
アフリカ経済をけん引するガーナの現状について手掛かりを探そうとすると、首都アクラに掲げられたスイスの高級腕時計ウブロの巨大看板に目を奪われるだろう。過去10年の平均で7%の経済成長を遂げた同国が前途洋々だとの見方を強めるかもしれない。…続き (11/1)
(2013年10月31日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
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