地元の資源を使ったサステイナブルなビジネスをグローバルに提唱。
自転車は環境にやさしい交通 手段であり、よい運動でもあり、情熱的な自転車愛好家は多いが、手作りの自転車に乗りたいという人が増えている。自分の手で物を作り、物作りの喜びを分か ち合うことを目的に設立された社会起業の会社にBamboo Bike Studioがある。http://bamboobikestudio.com/
2009 年に3人の若者がニューヨーク市にてスタートした。竹製の骨組みを使う自転車を自分で組み立てる自転車キットを製造、販売しているユニークな会社である。 自転車の骨組みを竹で作ることは、1880年代にイギリスで始まったとのことだが、従来の自転車よりも軽く、また、竹が振動を吸収するため、乗り心地がよ い。竹の骨組みを作るキットは$699、シングルスピードの竹自転車キットが$948、7スピードの組み立てセットは$1,350で、同社のウエブサイト で販売されている。
実際の組み立ては同社が開催するワークショップにて、インストラクターに教えてもらいながら、行っていく。ニューヨー ク、サンフランシスコ、トロント、メイン州、アラバマ州で自転車に関する様々なワークショップを開催しており、竹自転車だけでなく、普通の自転車の作り方 や、手入れの仕方などを教えている。がんばれば2日から4日で自転車はできるという。使っている竹は、すべてアメリカ産である。
現在BambooBike Studioの竹自転車を愛用している人は、約400人。ヨーロッパ、オーストラリア、日本からもワークショップに受講にくる愛好者がいる。
同 社は、昨年1月から、数年前よりコロンビア大学のEarth Instituteがガーナにて準備を進めてきたBamboo Bike Projectに参加。世界で初めての大規模な竹自転車製作工場の設立のために、Bamboo Bike Studioが開発した技術が取り入れられ、2週間にわたり組み立てのためのワークショップを開催。この工場は、ガーナ地元のNGOが運営するもので、貧 しい人が使える交通手段として、年間に約2万台の自転車を一台約$65というコストで作っていく計画である。竹はガーナ産のものを使う。
従来型のビジネス・ビジョンとは異なる、しなやかで目的が明確な新しいビジネスが、どんどん生まれている。
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©2012 竹内道