2013年11月1日20時34分
【広州=小山謙太郎】企業の不正を記事にした中国広東省の日刊紙「新快報」の記者(27)が警察に拘束された問題で、同紙の親会社は1日、同紙の李宜航社長兼編集長を解任した。記事を「虚偽」と認定した当局の指導を受け、同紙に全面的に責任を負わせ、事態を収拾する構えだ。
湖南省長沙市の警察に拘束された記者は10月30日、企業の信用を傷つけた罪で正式に逮捕。広東省政府は同31日、記者の免許を取り消し、同紙の親会社「羊城晩報報業集団」に対し同紙の責任を追及し、人事を刷新するよう指示していた。
新快報は当初、1面大見出しで記者の釈放を要求。メディアが当局の監督指導下にある中国で異例の抗議姿勢を示したが、その後、記者が「他人から記事を提供され、金銭も受け取っていた」と自供。同紙は「虚偽報道だった」と認め、おわび記事を掲載した。
ただ、十数本の批判記事のうち「虚偽」と具体的に指摘されたのは1カ所だけで、記事を提供したとされる「他人」も明らかにされておらず、事件の全容は不透明なままだ。
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朝日新聞国際報道部
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