7年前のトリノ五輪は、とにかく行きたいという思いだけだった。五輪本番では雰囲気にのまれて8位。一緒に練習していた荒川静香の金メダル獲得を目の当たりにして情けなくなり、「バンクーバーで金メダル」と目標を明確にした。
■モチベーション、いっこうに上がらず
3年前のバンクーバー五輪は、右膝靱帯断裂からの回復途上で、とにかくやるしかなかった。本番では力を出し切り銅メダル。「ここで可能性を感じられた」と、すぐに現役続行を決断する。だが、一種の燃え尽き状態に陥り、2011年世界選手権は5位。これで目が覚め、「3年計画で五輪を目指す」と話していた。
12年世界選手権で2位になり、昨季はGPファイナルで初優勝。しかし世界選手権は6位に終わった。不本意な成績をバネにしてきたこれまでのサイクルからすると、モチベーションが上がるはずだがいっこうに上がらない。「僕自身もよく分からないんですよ。ただ(ニコライコーチに)言われっ放しも悔しいし。気合が入ったとは言いたくないけれど、自分の何かはちょっと変わった」
■スケート靴の変更が不振の一因に
スケートアメリカで不振だった原因の一つに、スケート靴の変更がある。9月下旬、イタリア製の靴からもともと使っていたグラフ社(スイス)のものへ、約2年ぶりに戻した。「僕は全くその気がなかったけれど、ニコライに『トライしなよ。ダメだったら替えなきゃいい』って言われたから。やってみたら、すごくいい。スケートを押せるし、パワフルになったのを感じる」
長光歌子コーチもニコライコーチも、トリプルアクセルの飛距離が戻ってきたことを実感した。「ジャンプの幅、高さとか、質がすごくよくなっている。年齢的にジャンプが厳しくなるのかと思った時期もあったけれど、靴を替えて以前の感じが戻っている」と長光コーチ。しかし、かかとの高さや靴のエッジの長さが違うのに、前の靴の時の癖が顔をのぞかせると、ジャンプのタイミングが合わなくなる。靴に慣れる時間が今大会は足りなかった。
フィギュアスケートの高橋大輔(関大大学院)の3度目の五輪挑戦が始まった。シーズン初戦となったグランプリ(GP)シリーズ、スケートアメリカは4位。「自分でびっくりするくらい、勝つぞという気持ちが出てい…続き (11/1)
ソチ五輪シーズンのフィギュアスケート・グランプリ(GP)シリーズが米国大会を皮切りに始まった。浅田真央(中京大)はショートプログラム(SP)もフリーも首位で米国大会を制した。2位、5位に終わり初めて…続き (10/25)
4シーズン前、フィギュアスケートのジュニアタイトルを総なめにした仙台の中学3年生にとって、五輪は「夢の世界」でしかなかった。シニアになって3シーズン、羽生結弦(18、ANA)は世界選手権銅メダリスト…続き (9/11)
各種サービスの説明をご覧ください。