ADC5105は新世代のアナログ方式の放射線計測機器専用のADCモジュールです。26(W)mm x 43mm(D) x 8mm(H)のサイズの中にピークデテクト(HiFi-PEAKDET)回路と14bitsADC変換器を内蔵しています。このモジュールだけでPIC等のワンチップマイコンと14ビットのパラレルインターフェースで接続する事で高性能のMCAが出来上がります。ADC5105使用例ADC0501使用例、モジュールの寸法図はADC5105使用例の方に有ります。

あるいは多入力のMCAやマルチパラメータを構成する事も比較的楽にPCB基板の設計が出来ます。ADCモジュールは3種類有ります。
ADC5105(ADC 1.2us 14bits LowPower)、 ADC5101(ADC 1.2us 14bits Standard) 、ADC0501(ADC 0.5us 14bits Fast)
ADC5105の開発について

USBから電源をもらって、しかもNoteパソコンでも使用可能な本格的なMCAと言うのは”長い間の夢”でした。

ADC5105は入力パルス幅、ピーキングタイム100nsと言う充分高速なしかも高忠実度ピークデテクト回路、弊社では(
HiFi-PEAKDET)回路と呼んでいます。詳しい内容はPKDモジュールの説明を参照して下さい。

高性能を維持しながら消費電力は+5Vが20mA、-5Vが僅か3mAしか消費しません。LED表示2~3個分の電力で動作します。-5Vなどは逆に消費電力が少なすぎてDC/DC電源が不安定になるのでPowerOn表示のLEDを-5Vから供給しています。USB/MCAの電源消費の内訳はADCが約30mAワンチップマイコンが40mA最後にUSBチップが30mAも消費していて合計で100mA程度に収まっています。

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ASP(Advanced Analog Signal Processor)の始まりはこのHiFi-PEAKDETから始まりました。DSPマルチのメーカがアナログMCAはピーキングタイムを短くすると分解能(FWHM)が極端に悪くなるだのDSPマルチはAD変換のデッドタイムがゼロだとか変な都市伝説の様な迷信がまかり通りDSPマルチの長いパイルアップリジェクト(アナログMCAのADCのデッドタイムより遥かに長い)は何故かデッドタイムに入れないでDSPマルチにはデッドタイムは無いと言うかなり強引な理論やアナログMCAと比較してDSPマルチは性能が良いとする場合もどんなアナログMCAと比較してなのか?実際に調査すると非常に曖昧でいい加減でとにかくアナログは古いと言うイメージだけが定着して居る様で、 常々アナログ信号をデジタル化しても量子化誤差は増えてもアナログが持つ情報以上の物は得られないと言うのが私の持論で真実はいったい何処に有るのかと言うのが始まりでした。
私が一番信頼できる著書として放射線計測、特に半導体検出器の信号処理について記述された。  F. S. グルーディング著の”半導体検出器のための信号処理”の文章の中に答えが有ると思いました。 ”長い間のパルス波形整形の目標であった信号対雑音比が一番良い対称カスプ波形は実際には殆どのシステムにとって長い尻尾と尖ったピークは受け入れ難いものである。”まさにこの言葉どうりにピーキングタイムを短くして行くと対称カスプ波形でなくともこの尖ったピークを正確にピークデテクトする事は”実際には殆どのシステムにとって尖ったピークは受け入れ難いものである。”とも受け取れます。
長年の感でピークデテクトこそががピーキングタイムを短くすると分解能(FWHM)が極端に悪くなるカギだと思いました。
[ 拡大 ] [ 0.1us時定数 ] [ HiFi-PEAKDET ]
どんなに尖ったピークでもオーディオ用語で言う所のの高忠実度(HiFi)にこだわりピークにフィットするピークホルド回路の設計から始めました。私は放射線計測のパルス回路の中で一番難しい部分がピークデテクトだと思います。DSPマルチがDSP処理している内容は乱暴な言い方をすれば単なるピークデテクト処理なのです。高度なアナログパルス回路が設計できないので手っ取り早い方法がPreAmpOutを直接AD変換できる高速のADCの性能に頼って後はソフトで何とかする。

実はこれはアナログの高周波回路(無線)の設計者不足で、TELECOM(携帯電話)分野で最初にアナログからデジタルへシフトしていった2007年問題の始まりでもあります。DSPマルチもこのTELECOM分野からの高速のADCとDSP処理の派製品とも言えます。従来の数usecのパルスでも正確にピークホールドできる回路を設計できる技術者は少なくそれぞれの放射線計測機器(MCA)メーカに1人いる程度だと思います。

昔は(20年くらい前です)MCAはパルサーで1chに入らなければMCAと呼べないと言う放射線計測の専門家の厳しい暗黙の基準があったのですが逐次比較ADCとスライデング方式のADC当たりから本来は1chに収まらなければならない物が5chやLogスケールで見ると10chもバラける出来損ないのMCA(ウイルキンソン博士は多分泣いている)が殆どで本来一番大事なピークデテクト回路も逐次比較ADC自体が内部にピークホールド回路を持っているのでかなりいい加減なピークデテクトでもそこそこ動作(あえて動作と書いたのはよくもマーこんな回路でと言う様な放射線測定回路とは呼べない製品もあるので)するのでまともなピークデテクト回路の進歩が止まってしまった。そもそも微分非直線性すら正しく理解できないでパルサーで1chに入ってこそ意味のあるchとch間の均一性(ウイルキンソン方式は別の見方をすれば最新の高分解能1bitADCとも言える)を問題にしているのにADCのモノトニシティもへったくれもない(汚い言葉で失礼)10ch近くもバラけるADCに微分非直線性は何の意味も無い逆にバラけると平均化されて微分非直線性の数値だけ(ホントに数値だけ)は良くなる。

高速の先の尖ったピークを正確にホールドする為には、単に優れた回路設計だけでなくPCB基板のパターン配線技術も大きなウエイトを占めています。GHz級のオペアンプの取扱いや、ホントにパターンの長さも問題になる世界です。弊社がハイブリッド化にこだわるのは高速化の為に配線を出来るだけ短くしていくと結局この様な形 20mm(W) x 32mm(D) x 8mm(H)の小さなモジュールになりました。 同様に性能を求めた結果ShapingAmp等もこのサイズでモジュール化致しました。