MCA5105は新世代のアナログ方式のMCAです。DSPマルチに対してASPマルチとも呼べる新しいアナログ方式のMCAです。DSPマルチの殆どのメーカが、真のMCAとしてのAD変換速度や分解能の点で限界を感じ閉塞感が出て来ている中でSDD(シリコン・ドリフト・デテクタ)の主要メーカ(KETEK, RONTEC等)は、例外なくアナログ方式のMCAを採用しています。アナログ方式のMCAを採用している理由は、DSPマルチではSDDの高速、高分解能が充分に発揮出来ないからです。検出器メーカとしては、”SDDの分解能=価格”の切実な関係が有る以上少しでも良い分解能や高速なMCAを選択する理由が有ります。特にX線検出器の場合は信号レベルが数mVと低いので、殆どのデジタル(DSP,FPGA等)電源のノイズの方が信号よりも大きいのでSDDの高分解能を活かす事はDSPマルチでは不可能と言う結果になります。
MCA5105の開発について

USBから電源をもらって、しかもNoteパソコンでも使用可能な本格的なMCAと言うのは”長い間の夢”でした。

MCAと言うのは検出器からの微小電圧やFETのノイズ測定にも使用される。というか逆に簡単にX線検出器からの超が付くローノイズを測定し評価できる装置がMCAしか無いとも言えます。本格的なMCAの作成時にはデジタルオシロスコープでさえノイズ注入源になるほどデリケートな測定装置なのです。高速になれば携帯電話の電波にも反応するほど高感度なAmpでも有ります。

低消費電力設計だけでも市販のアナログ用のDC/DC電源は無負荷でも60mAも消費していますのでUSBからの電源100mAを軽くオーバーしてしまいます。一番苦労したのは電源回路でした。ノイズまみれのUSBからクリーンな電源を作成する為にオリジナルのDC/DC電源から開発しました。

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   MCA5105 仕様
 
MCAメモリサイズ 4096ch (32bits/ch) 形状(単位mm) 50(W) x 75(D) x 20(H)
AD変換速度 1.2usec 14bits 電源 USBバスから100mA
積分非直線性 +/- 0.01% 重量 90g
微分非直線性 +/- 0.64% 表示 電源ON表示LEDのみ
入力信号(ADCダイレクト) 0 ~ 5V、 0 ~ 8V切り替え LEMO 入力インピーダンス 1 K ohm
LLD 5回転VR 入力パルス幅 100ns ピーキングタイム
プリセットタイム 32bits 100ms単位 最大計数率 500Kcps( randam x 40%)
インターフェイス USB2.0 FullSpeed 無欠測時間測定 2kch x 2 pingpong mode
MCA5105 特徴

USBバスからの限られた電源容量で、ローノイズ、高分解能、高速AD変換を実現した超低消費電力設計のMCAです。性能は現在市販されているMCAの中でもリサーチグレードに匹敵する性能を持っています。標準で2kch x 2の pingpong modeで無欠測時間測定をサポートしていますので蛍光X線のエレメントマッピングやフィールドでの連続モニタリングが可能です。NoteパソコンがあればポータブルなMCAにも成ります。低消費電力でも高分解能高速のX線検出器でのFe-55のスペクトルのFWHMの劣化やドリフトは殆どありません。 Fe-55Log Fe-55Lin