【楽天】則本Ｖホーム！２失点も日本Ｓ初勝利！

最後の打者を打ち取り、嶋と抱き合って喜ぶ則本

　◆コナミ日本シリーズ２０１３第５戦　巨人２―４楽天＝延長１０回＝（１０月３１日・東京ドーム）　勢いそのままに滑り込んだ。則本は延長１０回、四球を選んで出塁。１死一、二塁、銀次の中前打で二塁から勝ち越しのホームを踏んだ。「足は遅いけど、走塁はできます」と笑った。「岡島さんから『（負傷交代した）藤田さんの分も』と言われていた。それもあって、ちょっと泣きそうでした」。その裏をきっちり３者凡退で締め、嶋と抱き合って喜んだ。

　２点リードの６回から登板。７回１死、村田に左中間ソロを浴びた。先発した第１戦の８回にダメ押し弾を浴びた相手だ。９回には同点の適時内野安打も許した。「苦手意識はないけど、いいバッター。甘い球は逃さない」。それでも、５回３安打２失点でシリーズ初勝利。チームとして勝つことが何よりのリベンジだった。

　３月２９日の開幕投手から始まった長いシーズン。１つだけ手放せないものがある。シーズン最終登板となった１０月１２日のオリックス戦（Ｋスタ）、１５勝目のウイニングボールだ。「その１球だけ手元にあります。開幕してからは５勝、それをクリアしたら１０勝を目指してやってきた。その後に目標にした１５勝を最終登板で挙げられた」。目標を自分の力で乗り越えてきた証し。最後にもう一つ、日本一王手というウイニングボールを手にした。

　ＣＳ最終Ｓ第２戦から、中２日、４日、４日の登板間隔でフル回転。星野監督が「うちはクローザーもセットアッパーもいないからな」と話す弱点を埋める快投だ。「疲れました。信頼して使ってもらえるのはうれしいし、期待に応えたい。でも、もういいです」と苦笑した。あとは田中に全てを託し、歓喜の輪に飛び込むだけだ。