2013-10-30
■[日記][ラノベ][世界を革命する力を][うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ]2013年、オタク業界は正道(笑)を歩んでいるかライトノベルの25年を踏まえ論じさせたりしてたまるかよ。
どうも。プロ乞食ブロガーのsrpgloveです。
はい。
毎度おなじみ、一山いくら十年一日の「『最近のラノベ』語り」です。いい加減、こういうものにいちいち律儀に反応する悪い癖、治したいんですけどね。治りませんね。まあこれも運命と諦めて、せめて、一つ一つの案件に懸ける労力を最小限に抑える努力だけはしていきたいと思っています(=ざっくり適当にやる)
そういう方針なので、反論のためにいちいち具体的なデータを調べたりは一切しません。わたしのラノベ読み(笑)としての実感だけが頼りです。「〜と思う」「〜だろう」「〜では?」が頻出すると思いますが、具体的なデータもないのに「〜だ」「〜た」「〜いる」「〜である」と言い切っちゃうのに比べればはるかにマシだと笑って許して下されば幸いです(=黙って笑え。許せ。わたしの幸せのために)
さあ、ぶん殴るぞ!
即ち、萌え美少女キャラクターの席捲と、そして物語内容の「売れ線」への集約。
「物語内容の「売れ線」への集約」と言いますが、ここで言う「売れ線」とは具体的にどんなものを指すのでしょうか。俺TUEEE?日常・部活系?魔王勇者もの?とりあえず、手元に電撃の缶詰2013年4月号があったので、これのどれが「売れ線(狙い)」なのか考えてみましょう。
◆ソードアート・オンライン12 アリシゼーション・ライジング
著/川原 礫 イラスト/abec
著/和ヶ原聡司 イラスト/029
◆ストライク・ザ・ブラッド7 焔光の夜伯
◆ゴールデンタイム6 ノックアウト
◆マグダラで眠れIII
著/支倉凍砂 イラスト/鍋島テツヒロ
◆ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミンIII
著/宇野朴人 イラスト/さんば挿
◆完璧なレベル99など存在しないII
著/周防ツカサ イラスト/明坂いく
著/折口良乃 イラスト/黒銀
著/風見 周 イラスト/konomi
◆正義の味方の味方の味方2
著/哀川 譲 イラスト/さくやついたち
◆新フォーチュン・クエストII(1) 僧侶がいっぱい!
著/深沢美潮 イラスト/迎 夏生
著/上遠野浩平 イラスト/巖本英利
◆OP-TICKET GAME
著/土橋真二郎 イラスト/植田 亮
◆Fランクの暴君 堕ちた天才の凱旋
著/御影瑛路 イラスト/南方 純
◆氷の国のアマリリス
著/松山 剛 イラスト/パセリ
◆失恋探偵ももせ
著/岬 鷺宮 イラスト/Nardack
とりあえずSAOはネトゲ俺TUEEEだし*1魔王さまは魔王勇者ものだしで確定として、ストブラ……学園異能って今でも「売れ線」?ゴールデンタイム……ラブコメだけど「売れ線」かというと……マグダラ……これどんな話?……うああメンドクセ!少なくともはっきり「売れ線」と断言できない作品は存在してる!特にエンペロイダー!上遠野信者のわたしが保証してやる!
とにかく。「売れ線」、つまり時代を代表するジャンルに含まれる作品とそれ以外の「例外」的な作品のバランスが、10年前20年前と比較して極端に偏っている、というデータはあるのでしょうか?わたしは、恐らくは大した変化はないだろうと思っています。それどころか、過去に比べれば複数の大きな「売れ線」が選択肢として存在している分、「売れ線」狙い作品内でのバリエーションも現在の方が上回っているのではないかとさえ思いますね。
だいたい、
ぼくは黎明期からライトノベルを読みつづけている。『ロードス島戦記』、『フォーチュン・クエスト』、『スレイヤーズ』といった初期のヒット作からきょうの作品まで知っているわけだ。
思いっきり「ゲーム(感覚)をベースにしたヒロイックファンタジー」という「売れ線」へ集約されちゃってるじゃんラノベ黎明期!
あらゆる作品に「萌え」美少女が登場するようになり、物語はその少女を中心としたものへ変わっていった。
たとえば、わたしがいま読んでる、羽沢向一『独占おっぱい学園』(美少女文庫)みたいなもののことですね?このぐらい美少女の存在が不可欠な内容じゃないと「美少女を中心とした物語」とは呼びたくないな。
これも最近読んだ本ですが『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』では、たしかに美少女(や可愛い男の子)は登場して重要な役割を果たすのですが、物語の「中心」というなら、それは圧倒的に主人公の比企谷八幡(男性です。念のため)の方だとわたしには見えました。「物語の中心」の定義が曖昧なので、こんなのは何の意味もない話ですが。
何しろきょうのライトノベルのカバーを見れば、その大半に美少女が出ている。しかもきわめてよく似た絵柄だ。
もちろんぼくのような「熱心なファン」はその違いを見て取れるが、くわしくないひとは区別がむずかしいのではないか。それくらい個々の差が小さくなっている。
「きわめてよく似た絵柄」ですか。「熱心なファン」ですか。果たして同じ台詞を、現役イラストレーターの前で言えるんでしょうか。
それはともかく、ラノベのイラストに限らず、詳しくない人が外から漫然と眺めてるだけで違いがはっきり分かるような趣味の分野って、どれぐらいあるんでしょうね?わたし、ウィル・スミスとエディ・マーフィの区別付きませんよ(問題発言)
そもそも、二昔ぐらい前のラノベ表紙なんて「個々の差が小さくなっている」どころの話じゃなく、天野喜孝といのまたむつみだらけだったじゃねーか!(問題発言)
ヒット作を見れば、読者がひっかかる要素はことごとく排除されている。読者は物語へ気持ちよく入り、気分よく出て行くことができるのである
ここで言われてる「ひっかかる要素」というのは、まあ、努力とか葛藤とか困難とか死とかNTRとかだと思われます。そういったものが現在のラノベヒット作において「ことごとく排除されている」かどうかと言えば、そんなことは全くないでしょう。もし本当にそんなラノベばかりなら、わたしはもっと楽しく読めているはず。
あるいは、もし仮に現在のラノベが本当に完全に「クリーン」だったとしても、「努力とか葛藤とか困難とか死とかNTRとか」を物語に強く求める層というのは確実に存在しているわけじゃないですか。で、そういう人たちにとっては、パンツやおっぱいや大きな事件が何も起こらない平和な日常こそが「ひっかかる要素」になってしまう。全ては相対的な話であって、読者の嗜好が様々である以上、「ひっかかる要素はことごとく排除されている」なんてことは口が裂けても言えないはずなのです。普通に考えれば。
それはどんな望みも叶う願望充足の小宇宙。思春期の少年が望むものすべてがそろっている――しかもすべてが微温な形で。
ぼくは皮肉を云っているつもりはない。このライトノベルの「萌えへの集約」は、ライトノベルがビジネスとして洗練されていくなかで生まれた必然の結末だ。
皮肉ではないとわざわざ断った言葉が皮肉でなかった試しはない。
さっきの繰り返しになりますが、ラノベ作家に面と向かって「あなたの作品は、思春期の少年が望むものすべてが微温な形でそろっているどんな望みも叶う願望充足の小宇宙ですね!それは、ライトノベルがビジネスとして洗練されていくなかで生まれた必然の結末ですよ!」と笑顔で言ってみて、ぶん殴られないかどうかを試してみればよいのではないでしょうか。
わたし自身は「願望充足の小宇宙」的な作品を心の底から愛していますが*2、それらをビジネスとして洗練されていくなかで生まれた必然の結末などと表現することの無礼さぐらいは弁えているつもりです。全員がとは言わないけど、自分自身が好きで好きで萌え萌え美少女書いてる人だっているだろうに。普段から、非願望充足・非ビジネス的な価値を称揚しているような人間の口から出た言葉ならなおさらです。
ビジネス……せっかくだからその話をしておきます。
信じやすい純粋な人たちを分かりやすいライフハックで煽動してお金を稼ぐこと自体は構いません。誰しも収入は必要ですからね。好きにすればいい。ただ、そのためにフィクションをダシにするのだけはやめてもらえませんか。ただ愉快な啓発だけやってりゃ済む話でしょう。
特にライトノベルは、ただでさえ油断すると実情とかけ離れた知ったかぶりの「最近のラノベ」語りが次から次へと湧いてきて、潰しても潰しても追い付かない状態となっています。そこに更に「萌え美少女キャラクターの席捲と、そして物語内容の「売れ線」への集約」という神話を真に受けた何千人だかの読者たちがなだれ込み、掲示板でツイッターでブログでそのラノベ観をさらに拡散させていく……想像するだに恐ろしい。蟻走感にうなされそうな光景です。
本来は対抗言論で一つ一つ潰していくのが筋ですし、当然わたしには何の権利もありません。でも、もう……ちょっと……疲れちゃったんだよね。だから敢えて根から断つために言いますが、このような通俗的な偏見を追認するいい加減な内容しか語れないのであれば、ライトノベルについて二度と言及しないで下さい。どうかお願いします。
……あ、カッコよく締めたのにまだ続きあった。なになに。
そして、その事象には正と負の側面がある。いつもそうなのかもしれないが、現在は極端に表れている。
それでは、負の側面とは何か。ひと言で云えば、
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んっだよ!ケチくせえな!
えー、たぶん「ひと言で云えば、『多様性の減少』である」とかだと思いますが……減少!してない!以上!
むしろ美少女出したら何やってもいいという方向に進んでるのでは?「せんせいは何故女子中学生にちんちんをぶちこみ続けるのか?」が賞取れる世界に多様性の減少もクソもあるか。
さて。
アニメ化されるようなヒット作だけがラノベではありません。また、メジャーなヒット作も聞くと読むとでは大違いということもしばしばです*3。面白味のない結論で恐縮ですが、「最近のラノベ」のことが知りたければ、結局はとにかく実際に読んでみるしかありません。そうしてさえも、本当に分かるのは自分が読んだ「その作品」のことでしかないのです。おお、なんと険しいラノベ道!……などと怯まないでいただきたい。自分が何を知っていて何を知らないのか、何を語れて何を語れないのかだけはしっかり弁えていれば、ラノベ警察に襲われることはありません。ラノベ法を守って、楽しくラノベを読んでいきたいものです。わたし自身は、「最近のラノベ」はあんまり読んでませんけどね*4
最後に「最近のラノベ」を知るための本当の手助けとなる有益な記事を紹介しておきます。どちらも、具体的な作品を数多く挙げてラノベとその周辺の現状を多角的に見た労作です(虎の威を借る気まんまん)
僕たちはSAOとかと戦わなくても別にいいんだ、という話 - ディドルディドル、猫とバイオリン
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