先の臨時国会会期中の6日、歳費の一部を自主返納できるようにする国会議員歳費・旅費・手当法改正案が全会一致で成立した。この施行を受け、歳費自主返納の対象となる参院議員59人全員が16日までに、任期前の7月分歳費について、自主返納を参院事務局に申し出た。自主返納平均は1人約79万円で、正副議長も合わせた返納総額は約4800万円となっている。
サラリーマンの給料にあたる国会議員の歳費は、月129万7000円と一般の公務員などと同様に、6月と12月に期末手当が年635万円支払われる。国会議員には、このほかに文書通信交通滞在費として月100万円、また政党に所属していれば立法事務費として、月65万円が支払われる。
これらの文書通信交通滞在費や立法事務費などは、経費にあたるとして非課税となっている。また今回の歳費の自主返納では、この文書通信交通滞在費の100万円は対象には含まれていない。これらを単純に計算すると、合計294万7000円が1カ月の収入となり、年間では4174万円7000円に上る。
制度上の違いから単純な比較はできないものの、たとえば先進国の中でも高いといわれている米国で約1700万円、イギリスやフランス、ドイツは1000万円前後だ。日本の議員歳費は、世界でも最高水準となっている。
毎年のように民間サラリーマンの平均給与が下がり、日本の国力も低下しているといわれる中、国民のために職務を果たしているはずの国会議員は、その歳費と見合う働きをしているといえるだろうか。参議院議員で6年間の任期を全うした場合、歳費は2億円を超える。これは、民間のサラリーマンの生涯賃金に相当する額だ。議員定数の削減案が挙がっているが、それと併せて国会議員の歳費を見直す必要があるのではないだろうか。
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