特定秘密保護法案の閣議決定を受け、歴史学者ら9人が、同法の制定に反対する緊急声明を出した。歴史学研究会の久保亨委員長や同時代史学会の吉田裕代表らが名を連ね、「歴史的に重要な文書が行政機関に恣意(しい)的に選別される可能性が高く、歴史学の研究と教育に多大の障害をもたらすことが懸念される」としている。

 さらに声明は「歴史の真実を探求する歴史学研究が妨げられる恐れが強い」「史料調査において『特定秘密文書』を入手した際に刑事処罰の対象にされる恐れがある」など、四つの具体的な問題点を指摘した。