ソチ五輪の代表選考は、いかなるものか?
ショートに比べて演技時間の長いフリーでは、時間が進めば進むだけスピード感が失われ、スピンなどの切れも悪くなっていった。スタミナの問題が大きかったのだろう。演技終了後、天を仰いだ表情には疲労の色が隠せなかった。
ソチ五輪の日本女子の出場枠は3。代表選考基準は、
(1)12月に行なわれる全日本選手権優勝者。
(2)全日本2、3位の選手とグランプリ(GP)ファイナルの日本人表彰台最上位者から選考。
(3)先の選考から漏れた選手と全日本選手権終了時点でのワールド・ランキング日本上位3名、国際スケート連盟(ISU)シーズンベストスコアの日本上位3名の中から選考。
――となっている。
グランプリシリーズに出場できない安藤は、全日本選手権優勝による自動内定はともかく、仮に全日本選手権で2位ないしは3位になったとしても、(2)と(3)の選考条件においては、不利な立場にある。
浅田、鈴木、村上らも、辛く厳しい競技人生を歩んできた。
そもそも、昨シーズンの世界選手権に出場した浅田真央、鈴木明子、村上佳菜子らを相手にしての代表争いである。
出産を経ての復帰ということもあり安藤に注目が集まりがちだが、浅田はむろんのこと、鈴木、村上にも、それぞれに失意や苦悩を味わいながら歩んできた辛く苦しい過程があり、その中で、時間をかけて真摯に取り組み、積み上げてきたものがある。数々の国際大会での実績もその証明の一つであるし、目標として見定めてきたオリンピックへの思いも生半可ではない。
12月の全日本選手権から逆算すれば、残り2カ月あまり。そうした選手たちと伍するまでに至るのか、間に合うのか……。
そこが焦点であり、だとすれば、簡単に解決はできないスタミナ不足をはじめ、課題が多いことが浮き彫りになった大会といえるだろう。
それでも、安藤の表情に翳りはなかった。
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