2013年10月30日11時00分
【守真弓、上原佳久】人気漫画「黒子(くろこ)のバスケ」の撤去を求める脅迫状が複数の書店チェーンに届いた。顧客の安全のためと撤去を決めた書店がでる一方、販売を続ける書店も。なぜ対応が分かれたのか。
週刊少年ジャンプ(集英社)に連載中の「黒子のバスケ」に関連しては、1年ほど前から脅迫が相次ぎ、出版社がイベントを中止するなどの影響が出ていた。
漫画を含めてすべての関連商品を撤去するのは、レンタル大手「TSUTAYA」を展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ。同社広報室によると、全商品の撤去を求める脅迫状が15日に届いた。11月3日までに撤去しなければ客の生命に危害を及ぼすという内容で、同時期に脅迫状が届いたセブン―イレブン・ジャパンが関連商品の菓子を撤去したことも考慮し、28日に全店舗からの撤去を決めたという。「お客様の安全を重視した」と同社は説明する。
一方、同様の脅迫状が届いた紀伊国屋書店、三省堂書店など多くの大手書店チェーンは販売を継続する。
「撤去する考えはない」というジュンク堂書店によると、これまでも特定の本について「著者に問題がある」などと撤去を求められたことはあるが、応じていないという。「本は表現作品であり、書店は読者に届けるために預かっている立場。軽々には撤去できない」。出版物は一般の商品とは異なるという認識だ。
やはり脅迫状が来たが撤去はしない宮脇書店は、「表現、言論の自由に関わる問題だ」という。
集英社広報部は「販売店の個別の判断についてはお答えする立場にない。一貫して警察への捜査協力を続けていく」としている。
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