中国:天安門前車両炎上、死者5人に 邦人含む38人負傷
毎日新聞 2013年10月28日 20時50分(最終更新 10月28日 23時24分)
【北京・石原聖】中国国営新華社などによると、北京中心部の天安門広場前で28日午後0時5分(日本時間同1時5分)ごろ、車1台が天安門城楼前の歩道に進入した後、橋の欄干に衝突して炎上し、運転手と同乗者の計3人と、歩道にいてはねられた観光客2人の計5人が死亡した。また、日本人男性1人を含む観光客ら38人が負傷して近くの病院に運ばれた。死亡した観光客は中国人男性とフィリピン人女性だった。現場付近は故宮博物院の入り口となっている。
30代の日本人男性は歯を折るなどして病院で治療を受けているが、命に別条はないという。
車は天安門広場などに面した幹線道路、長安街の北側の歩道にフェンスを避けて入り込むと、天安門の故毛沢東元主席の肖像画が掲げられた場所の真下で衝突、炎上した。その間、観光客らをなぎ倒しながら約500メートルほど突進しており、意図的な事件である可能性が高い。
一方、車に乗っていたのは男性と見られるが、身元や背景は明らかにされていない。国営の中国中央テレビ(CCTV)は主要なプログラムである午後7時のニュース番組で、一切今回の事件について報じなかった。中国当局が事件の背景に神経をとがらせている可能性がある。
事件後、天安門広場周辺は封鎖され、武装警察や公安警察が警戒に当たった。最寄り駅の地下鉄1号線「天安門東」駅は出入りが禁じられ、地下鉄も同駅には停車しなかった。現場は人民大会堂に隣接、習近平国家主席が執務する「中南海」なども近い。