天安門車両炎上:テロ?当局厳戒、ネット書き込み次々削除

毎日新聞 2013年10月28日 21時19分(最終更新 10月29日 05時59分)

車が炎上した現場を警戒する警官ら=北京の天安門広場で2013年10月28日、AP
車が炎上した現場を警戒する警官ら=北京の天安門広場で2013年10月28日、AP
車の炎上現場
車の炎上現場

 【北京・石原聖】中国を象徴する天安門城楼の「毛沢東肖像画」のすぐ前で、車両が真っ赤な炎を上げた。現場は民主化運動を武力鎮圧した「天安門事件」(1989年)の舞台で、習近平国家主席らが執務する人民大会堂という中国政治の中枢にも近い。車両炎上は敏感な場所で起きただけに、当局は厳重な警備態勢を敷き、情報管理を徹底させた。

 天安門広場近くの病院では、負傷した日本人男性が運び込まれ、ベッドに横たわっていた。その脇で、警察が事情を聴きながら負傷箇所の写真を撮影していた。男性は車にぶつけられたといい、腰を打って歯が折れたという。

 中国版ツイッター「微博」に掲載された現場付近の画像には歩道で倒れている人々の姿が写っている。発生当時、広場で観光客案内をしていた中国人男性は「歩道に車が入ってきた。装飾用の石柱にぶつかって、バーンという爆発音がした。20人ぐらいが倒れていた」という。救急車と警察車両が急行し、消火するとともに負傷者の救助に当たった。発生後、付近には大勢の人だかりができた。

 通りかかった市民は「いったい何が起きたのか」と一様に不安な表情を浮かべていた。事件を知らずに参観に来た家族連れは警官に「なぜ広場に入れないのか」と尋ねていたが、警官は「封鎖中」「立ち止まらずに歩いてください」とだけ指示していた。

 中国では来月、共産党の第18期中央委員会第3回総会(3中全会)という重要行事を控えている。現場が天安門近くであることもあって、微博上には「テロではないか」「社会に対する報復か」などさまざまな見方が出た。当局は情報管理に神経をとがらせ、これらの書き込みも次々に削除されていった。

 天安門広場では1982年1月にもタクシー運転手の女(当時23歳)がタクシーで広場を暴走し、5人が死亡、19人が負傷した事件があった。不満を訴えるために運転手が起こした事件とされ、約1カ月後に死刑となった。また今年7月には、北京国際空港で、警察から暴行を受けたことなどに不満を募らせた男が手製の爆弾を爆発させる事件も起きた。

 今回の事件も中国にとって象徴的な場所で起きただけに、体制への不満の発露である可能性もある。

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