米盗聴疑惑:世界の指導者へNSA一部継続 高官認める
毎日新聞 2013年10月29日 00時56分
【ワシントン及川正也】米国家安全保障局(NSA)によるメルケル独首相ら世界の指導者への盗聴疑惑について、米紙ウォールストリート・ジャーナルは28日、米政府高官の話として、8月に本格化した米政府内の通信傍受見直し作業の過程で判明し、一部の活動を停止したと報じた。ただ、まだ継続している活動もある。また、盗聴はNSAの判断で実施され、オバマ大統領には報告されていなかったという。
同紙によると、政府部内の調査で、NSAが世界約35人の指導者を盗聴の対象としていたことが確認された。
35人の指導者への盗聴は今月下旬、英紙ガーディアンが報道。ウォールストリート・ジャーナル紙は、この35人の名前や停止した件数などは不明としている。米政府高官は同紙に大統領は知らなかったと強調。現在、承認手続きの見直しも進めているという。
盗聴を含む通信傍受プログラムの見直しは、6月に発覚した米中央情報局(CIA)元職員のスノーデン容疑者によるNSAの秘密プログラム漏えいが発端。12月までにプログラムの見直しをまとめる方針だ。