Updated: Tokyo  2013/10/31 20:19  |  New York  2013/10/31 07:19  |  London  2013/10/31 11:19
 

10月30日の海外株式・債券・為替・商品市場

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  (ブルームバーグ):欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次の通り。

◎NY外為:ドルが上昇、FOMCが景気改善を指摘-緩和策は維持

30日のニューヨーク外国為替市場ではドルが対円で約2週間ぶり高水準。米連邦公開市場委員会(FOMC)は景気回復が続くことを示すさらなる証拠を待つ必要があると判断し、債券購入ペースを維持する方針を示した一方で、景気の改善を指摘した。

ブルームバーグ米ドル指数 は10月17日以来の高水準を付けた。この日のドルは金融当局が債券購入策を維持するとの見方を材料に下げる場面もあった。

ゲイン・キャピタル・グループのシニア為替ストラテジスト、エリック・ビロリア氏は、「当局者はなおも経済活動や雇用市場の状況改善を指摘している。これがドルが値を戻すきっかけになった」と述べ、「しかし量的緩和のペースは変わらないことから、トレンドは引き続きドル下落の方向だ」と続けた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ドルは対円で0.3%上昇して1ドル=98円51銭。一時は17日以来の高値となる98円68銭まで上昇した。ドルはユーロに対しては0.1%高の1ユーロ=1.3736ドル。円は対ユーロで0.3%安の1ユーロ=135円32銭。

ブルームバーグ米ドル指数は0.1%上昇して1007.37。一時は1009.13と、約2週ぶりの高水準をつけた

FOMC声明

JPモルガンG7ボラティリティ指数はこの日7.84%まで上昇。28日には7.48%と、12月21日以来の低水準をつけていた。年初来の平均は9.38%となっている。

ブルームバーグが17-18日に実施したエコノミスト調査によると、月間850億ドルの債券購入策の縮小決定は来年3月18-19日の会合まで先送りされるとみられている。  

FOMCは声明で、「委員会は政府支援機関の住宅ローン担保証券を毎月400億ドル、期間が長めの米財務省証券を毎月450億ドルのペースで引き続き追加購入することを決定した」と記述した。

さらに「ここ1年間における連邦政府の歳出削減の度合いを踏まえれば、委員会は資産購入プログラムを開始して以降の経済活動および労働市場環境の改善は、より幅広い経済情勢が底堅さを増しつつある状況と一致していると認識している」と述べた上で、「委員会は資産購入ペースの調整を行う前に、情勢の改善が持続的なものになるというさらなる証拠を待つことを決めた」と説明した。

ソシエテ・ジェネラルのグローバルストラテジスト、キット・ジャックス氏は、「市場はこの声明内容を若干タカ派的だと受け止め、ドル指数の上昇が続いている」と述べた。

CPI、ADP民間雇用統計

米労働省が発表した9月の消費者物価指数(CPI、季節調整済み)は前年比では1.2%上昇と、4月以降で最も小幅な伸びとなった。また、給与明細書作成代行会社のADPリサーチ・インスティテュートが発表した給与名簿に基づく集計調査によると、10月の米民間部門の雇用者数は前月比13万人増加した。ブルームバーグがまとめたエコノミストの予想中央値は15万人の増加だった。

米銀が決済機関デポジトリー・トラスト・アンド・クリアリング(DTCC)へ提出したデータをブルームバーグがまとめたところによると、この日の外為オプションの店頭取引は合計320億ドル。前営業日は480億ドルだった。対ユーロでのドルのオプション出来高は66億ドルで、シェアは21%と最大だった。   

原題:Dollar Rises as Fed Cites Economic Gains Even as It KeepsBuying(抜粋)

◎米国株:反落、FOMCは成長継続を指摘しつつ緩和策を維持

米株式相場は反落。S&P500種株価指数は5営業日ぶりに下げた。連邦公開市場委員会(FOMC)は予想通り、債券購入規模を維持したものの、いずれ緩和縮小に踏み切るとの見方が市場では広がった。

ビジネス向けソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)最大手、米リンクトインは大幅安。同社の売上高見通しはアナリスト予想を下回った。送金サービスのウエスタン・ユニオンは急落。規制対応コストで来年の営業利益が圧迫されるとの見通しが嫌気された。一方、自動車のゼネラル・モーターズ(GM)は予想を上回る四半期利益を好感して上昇した。

S&P500種株価指数は前日比8.64ポイント(0.5%)下げて1763.31で終了。年初からは24%の値上がり。ダウ工業株30種平均は61.59ドル(0.4%)安の15618.76ドル。

コモンウェルス・フィナンシャル・ネットワーク(マサチューセッツ州ウォルサム)の最高投資責任者(CIO)、ブラッド・マクミラン氏は「結果を見て市場は予想通りと判断し、特に上昇の理由は見いださなかった。むしろこれまでに上げてきたから、今度は多少売りを出してみようという動きになった」と指摘。「誰もが緩和継続を予想して買いを入れてきた。そして大体予想通りの結果となった」と続けた。

「底堅さを増しつつある状況」

米金融当局は月額850億ドルの債券購入を維持すると決定。この量的緩和を背景に、S&P500種株価指数は2009年に付けた12年ぶり安値から160%以上戻した。S&P500種は10月に入ってから4.9%上昇。月間ベースで2年ぶりの大幅高になる勢いだ。

FOMCは声明で、「財政政策が経済成長を抑制しつつある」と指摘しつつ、より幅広い経済情勢が「底堅さを増しつつある状況」と一致しているとの認識を示した。今回の声明では、金融状況の逼迫(ひっぱく)が経済の改善を遅らせる可能性があるとの文言が外された。

エバーバンク・ウェルス・マネジメントのシニアマーケットストラテジスト、クリス・ギャフニー氏(セントルイス在勤)は電話取材に対し、「市場の反応からは、緩和縮小が実際のところ、予想していたよりも早期に訪れるとの解釈に傾いていることがうかがえる」と指摘。「声明を読んでみると、当局は景気に対する明るい見方を維持しており、予想されている3月よりも早く緩和縮小に踏み切ると市場は受け止めたようだ」と述べた。

緩和縮小の基準は変わらず

FOMC声明は、「失業率が6.5%を上回り、向こう1-2年のインフレ率予測値が、委員会の中長期的な目標である2%を0.5ポイントを超えて上回らず、中長期におけるインフレ期待がしっかりと抑制される限り」現在の低金利を維持するとの表現を変えなかった。米労働省がこの日発表した9月の消費者物価指数(CPI、季節調整済み)は前月比0.2%上昇。伸びは市場予想と一致した。また前年比での伸びはここ5カ月で最小となった。

給与明細書作成代行会社のADPリサーチ・インスティテュートが発表した給与名簿に基づく集計調査によると、10月の米民間部門の雇用者数は予想を下回る伸びだった。

リンクトインは9.3%下げ、5月以降で最大の値下がり。同社が発表した10-12月(第4四半期)の売上高見通しは4億1500万-4億2000万ドル(約407億-412億円)。アナリストの予想平均は4億3890万ドル。

ウエスタン・ユニオンは12%急落。7-9月(第3四半期)決算は減益となったほか、来年の営業利益も増加が望めないとの見通しを示した。

GMは3.2%の値上がり。7-9月(第3四半期)利益は市場予想を上回った。大型ピックアップトラックが北米で利益を押し上げ、海外事業の損失による影響を和らげた。

原題:U.S. Stocks Drop as Fed Keeps Stimulus Pace Amid GrowthSigns(抜粋)

◎米国債:下落、FOMC声明は経済活動の緩やかな拡大を指摘

米国債相場は下落。10年債利回りは3カ月ぶり低水準付近から上げた。米連邦公開市場委員会(FOMC)は声明で、経済活動の緩やかな拡大を指摘した一方で、毎月の債券購入については現状維持を決定した。

米財務省が実施した7年債入札(発行額290億ドル)では、需要が5月以来の高水準となった。これを手掛かりに米国債は一時上昇した。今回のFOMC声明では、金融状況の逼迫(ひっぱく)が経済の改善を遅らせる可能性があるとの文言が外された。

SEIインベストメンツ(ペンシルベニア州)で80億ドル相当の資産運用に携わるショーン・シムコ氏は声明について、「市場はもっとハト派寄りの内容を期待していた」とし、「予想より楽観的だった。きょうの利回りは前回の会合時より低い水準にある。今後の経済成長を後押しするだろう」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間午後5時現在、10年債利回り は前日比3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.54%。一時3bp低下し2.47%となる場面もあった。同年債(表面利率2%、2020年9月償還)価格は9/32下げて9921/32。

米政府債のディーラー間ブローカーで最大のICAPによると、米国債の出来高は3476億ドルに増加し、年初来の平均3140億ドルを上回った。

1月縮小開始の予想も  

FOMCは声明で、毎月850億ドルの債券購入ペースを維持する方針を示した。内訳は引き続き住宅ローン担保証券が400億ドル、米財務省証券が450億ドルとなる。

ブルームバーグが今月17-18日に実施したアナリスト調査では、債券購入の縮小開始は3月会合になると見込まれている。

USバンク・ウェルス・マネジメント(ミネアポリス)で債券リサーチの責任者を務めるジェニファー・ヴェイル氏は、当局が債券購入の縮小を1月に開始すると見込んでいる。

ヴェイル氏は「これまで縮小に非常に近づいた時期があった。市場は経済成長見通しと当局の縮小願望を過小評価している」とし、「1月の縮小開始なら、当局は数カ月分の明確な経済データを精査できる。これらのデータは力強さを増すとわれわれは予想している」と続けた。

FOMCは9月の会合で債券購入の縮小見送りを決定。同月の初めには10年債利回りが3%近くに上昇していた。5月の早い段階では1.63%だった。

7年債入札

7年債入札では最高落札利回りは1.87%と、入札直前の市場予想を一致した。これは5月以来の低水準。

投資家の需要を測る指標の応札倍率は2.66倍と、5月以来の高水準。過去10回の入札の平均は2.6%。

プライマリーディーラー(政府証券公認ディーラー)以外の直接入札者の落札全体に占める比率は23.9%で、過去最大となった。過去10回の平均は19.3%。

海外の中央銀行を含む間接入札者の比率は42.3%。過去10回の平均は40.5%。

原題:Treasuries Fall After Fed Says U.S. Economic ActivityImproving(抜粋)  

◎NY金:引け後に下落、ドル持ち直しで-FOMCが景気改善を指摘

ニューヨーク金相場は下落。米連邦公開市場委員会(FOMC)が会合後の声明で経済活動と労働市場の改善を指摘したことを受け、ドルが持ち直し、主要10通貨のバスケットに対して一時0.3%上昇した。

ペンション・パートナーズのチーフ投資ストラテジスト、マイケル・ゲイド氏(ニューヨーク在勤)は電話インタビューで、「ドルの上昇で金は圧迫されている」と指摘。「FOMCが景気改善の兆しを指摘する中、安全逃避のプレミアムは低下している」と述べた。

ニューヨーク時間午後3時7分現在、金直物相場は0.2%安の1オンス=1342.95ドル。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物12月限はこの日、前日比0.3%高の1349.30ドルで通常取引を終了。FOMC声明発表後は電子取引で一時1334.50ドルまで下げた。

原題:Gold Falls as Dollar Rebounds After Fed Cites EconomicGains(抜粋)

◎NY原油:続落、4カ月ぶり安値-予想以上の在庫増で

ニューヨーク原油先物相場は続落し、4カ月ぶり安値。先週の米在庫が6月以来の水準に積み上がり、アナリスト予想を上回ったことが政府統計で明らかになった。米石油受け渡し拠点であるオクラホマ州クッシングの在庫は2カ月ぶり高水準の3550万バレルに増加した。

IAFアドバイザーズ(ヒューストン)の商品調査ディレクター、カイル・クーパー氏は「需給ファンダメンタルズに基づいた相場展開になっている」と指摘。「米国全土、そしてクッシングには大量の原油があり、WTI価格に圧力を加えている」と指摘した。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物12月限は前日比1.43ドル(1.46%)安の1バレル=96.77ドルで終了。終値としては6月28日以来の安値。

原題:WTI Falls to Lowest Since April Against Brent onInventories(抜粋)

◎欧州株:ほぼ変わらず-ENIとVWが高い、電気通信株は下落

30日の欧州株式 相場は前日からほぼ変わらず。利益が予想を上回ったENIやフォルクスワーゲン(VW)が上げた一方、電気通信銘柄は総じて安い。

イタリアの石油会社、ENI は1.3%上昇。ドイツの自動車メーカー、VWは1年3カ月ぶりの大幅高。オランダのカーナビゲーション機器メーカー、トムトムは3.4%上げた。同社は2013年通期の利益見通しを上方修正した。一方、ベルギーの電話会社、ベルガコムは5.3%下落。競合企業が携帯電話の料金プランを引き下げたことが売り材料。

ストックス欧州600指数は320.80と前日(320.77)からほぼ変わらず。一時0.7%高まで上昇する場面もあった。月初来では3.3% 上げている。

レイル(ジュネーブ)で最高投資責任者(CIO)を務めるフランソワ・サバリ氏は「投資家らは2014年の企業利益回復を織り込みつつある」とし、「先行き期待から欧州株が買われている。ただ、米国で景気が回復せず、同国経済が勢いを失い続けた場合、欧州の復活は当分ないだろう。これは脅威となり得る」と語った。

30日の西欧市場では、18カ国中9カ国で主要株価指数が下落。英FTSE100指数は0.1%未満の上げとなった一方、仏CAC40指数と独DAX指数はそれぞれ0.1%下げた。

原題:European Stocks Are Little Changed asVolkswagen Rises on Profit(抜粋)

◎欧州債:ドイツ10年債が7日続伸-FOMC声明発表を控え

30日の欧州債市場では、ドイツ10年債が7営業日続伸となった。米連邦公開市場委員会(FOMC)の終了後に発表される声明で、債券購入プログラムが現状維持されるとの見方が広がった。

ドイツで10月のインフレ率が4月以来の低水準に下がったことも、相場上昇への支援材料となった。この日実施された10年債入札で、落札利回りは7月以来の低さとなった。一方、イタリア国債 は下落。同国は5年債と10年債合わせて60億ユーロを発行した。スペイン国債も値下がり。同国経済が7-9月(第3四半期)にリセッション(景気後退)を脱したことから、スペイン資産への信頼回復で上昇する場面もあった。

INGグループの先進国市場債券責任者、パドライク・ガービー氏(アムステルダム在勤)は「中核国の国債利回りは今年、既に高い水準を付けた。最も抵抗が少ないのは下に向かう方向だろう」とし、「ユーロ圏の状況は改善したものの、依然として弱い。米緩和縮小は年内は現実味がないだろう」と語った。

ロンドン時間午後4時半現在、ドイツ10年債利回りは前日比5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の1.69%と、8月12日以来の低水準となった。同国債(表面利率2%、2023年8月償還)価格は0.465上げ102.775。同利回りは月初来では8bp低下している。先月11日には2.09%と、2011年12月以来の高水準 に達した。

ブルームバーグが今月実施したエコノミスト調査によれば、FOMCは月間850億ドルの債券購入を来年3月までは続けるとみられる。

イタリア10年債利回りは4bp上昇の4.18%。23日には4.09%まで下げ、6月5日以来の最低となった。

英国債市場では10年債がここ1カ月で最長の4日続伸となり、利回りは8月以来の低水準に下がった。イングランド銀行(英中央銀行)のカーニー総裁は前日、景気回復に勢いがつくまでは金融政策を引き締めないとの方針をあらためて示した。

10年債利回り はロンドン時間午後4時半現在、6bp低下の2.54%。これは8月13日以来の低水準。同国債(表面利率2.25%、2023年9月償還)価格は0.48上げ97.455.

原題:German Bonds Rise Seventh Day Before Fed;Italy Securities Fall(抜粋)U.K. 10-Year Gilts Rise for Fourth Day as FedBets Spur Demand(抜粋)

更新日時: 2013/10/31 06:50 JST

 
 
 
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