シリア:サリンなど1000トン 化学兵器全容を初報告

毎日新聞 2013年10月29日 19時46分(最終更新 10月29日 20時46分)

 【ニューヨーク草野和彦、ブリュッセル斎藤義彦】国連の潘基文事務総長と化学兵器禁止機関(OPCW)は28日、シリアの化学兵器の全容を国連安保理に初めて報告した。サリンなどが1000トン、その他の神経ガス・窒息剤など290トンで、サリンなどの大半は、混ぜればガスを発生する安定した「前駆物質」で保管されている。化学兵器関連施設は23カ所41施設。26ある生産・加工施設のうち20が廃棄され、OPCWは11月1日の期限までに「すべての生産・加工施設が廃棄できる」と見通しを述べた。

 潘事務総長は、41施設のうち37施設の査察が終わったとした。

 シリア政府は大半を前駆物質で保管しているが、化学物質が詰まった2本のシリンダーを「シリア政府の物ではない」と申告した。OPCWはシリンダーの内容や所有者は特定していない。

 シリアは24日に化学兵器の詳細をOPCWに正式に申告。OPCWは25日付で安保理への報告書をまとめた。

 報告書によると、シリアはサリンなどの神経ガス、マスタードガスなどを含む「第1類」とされる化学兵器が1000トン、他の神経ガスや窒息剤など「第2類」が290トンと報告した。化学兵器が未充填(じゅうてん)の弾薬は1230個あり、シリア政府は12個を破壊した。

 23カ所41施設の内訳は、保管施設が12、生産・加工施設が18、移動式の加工施設が8、そのほかの関連施設が3。23カ所のうち2カ所は「危険すぎて近づけない」とした。

 また、シリアの化学兵器廃棄のため設立した基金に対し、米、独、カナダ、オランダ、スイスから資金提供があった。他の4カ国の予定を含め、670万ユーロ(約9億円)になる。11月までの活動には「十分」としている。

 来年前半までの廃棄はシリア政府の責任で、潘事務総長は「真剣な協力」を求めた。廃棄への国連とOPCWの協力は「治安が課題」で、詳細な計画は煮詰まっていない。

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