米盗聴問題:バチカンの電話も盗聴か 伊誌が報道
毎日新聞 2013年10月31日 10時55分(最終更新 10月31日 10時57分)
【ローマ福島良典】イタリアのANSA通信によると、同国誌パノラマは31日発売の最新号で、米国家安全保障局(NSA)がキリスト教カトリックの総本山・バチカン(ローマ法王庁)の電話も盗聴していたと報じた。
前ローマ法王・ベネディクト16世の退位に伴う今年3月の法王選挙会議(コンクラーベ)まで盗聴が続いていた恐れがあり、フランシスコ法王が後任に選出されるまで宿泊していたローマ市内の宿舎の電話も盗聴されていた疑いがあるという。
盗聴されていた通話は(1)指導者の意向(2)金融システムを脅かす考え(3)外交政策目標(4)人権−−の4分野に分類されていたとされる。
米秘密情報暴露サイト「クリプトム」によると、昨年12月10日〜今年1月8日にイタリアで約4600万件の通話が盗聴されていたという。パノラマ誌はバチカン発着の通話も盗聴対象に含まれていたと伝えている。
ロイター通信によると、バチカン報道官はパノラマ誌の報道について「何も承知していない」と述べた。