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mネットの活動・集会アピール


憲法24条、女性差別撤廃条約を遵守!
民法改正を求める院内集会を開催 3月8日
衆議院第二議員会館で3月8日、mネットが主催し、日本弁護士連合会
が共催した「憲法24条、女性差別撤廃条約を遵守!民法改正を求める院
内集会」を開催しました。民法改正を求める市民や弁護士、国会議員、秘
書、メディア関係者など、およそ133人が参加しました。

開会挨拶では、日本弁護士連合会副会長の小川恭子さんが、「弁護士は
裁判をするのが仕事。違憲訴訟について代理人になっているが、差別規定
は本来、裁判などの司法的救済でなされるのではなく、早急に立法府にお
いて改正がなされるべき課題。これまで遅々として進まなかった民法改正
だが、本日の院内集会を契機に、このあたりで実を結ばせ、収穫の年とし
ていく決意をみなさまと確認し合う、元気の出る集会にできればと思う」
と挨拶しました。

◆「家族と法―憲法24条の意義について」と題して、立命館大学法学部
教授の二宮周平さんが講演しました。二宮さんは、明治民法下で女性がど
う扱われていたか、その状況を知っていた若いベアテ・シロタさんが憲法
24条のもととなる草案を書いたこと、日本国民が24条制定をどう受け止
めたかなどに触れ、「24条があったから民法が改正され、当時、世界で
最も男女平等が進んだと言われる民法が作られ、この改正案(96年法制
審答申)につながっている。ベアテさんの贈り物をわれわれは大切にしな
ければならないと思う」と、話しました。

◆弁護士の大谷美紀子さんは、国際人権基準について解説しました。大谷
さんは「条約というのは国際社会の法律。入るかどうかは国に任されてい
る。条約では、女性に対する差別となる国内法があれば、それを改正する
のが国の義務と書かれている。民法750条は女性差別撤廃条約がいう差
別に当たると考えられており、委員会から何度も法律を改正するように言
われている」と話しました。
各党の代表挨拶では、民主党、社民党、共産党、公明党の法務の政策責
任者が挨拶をしました。
▼民主党「次の内閣」ネクスト法務大臣の前川清成参議院議員

2009年に大きなご期待で政権交代させていただいたにもかかわらず、
婚外子の相続差別の廃止程度のことでさえ実現できなかった。私たち民主
党が政権を失っても当然のことかなと思う。政権は勝ち取った時が最も推
進力がある。その時にどうしてやらなかったのか。マニフェストに書いて
あるからということで、どうして押しきれなかったのか。最高裁の大法廷
に事件が回付される。もう待ったなしの状況ではないか。この婚外子の相
続分差別については、議員立法を提出するということは法務部門では決定
した。早ければ来週火曜日の次の内閣で議員立法登録をしたい。選択的夫
婦別姓に関しては、もしも私の肩書からネクストという文字が消えた時に
は、いの一番に提出させていただきます。今は少数野党だが、いつの日か、
みなさま方との約束を実現するために、今は力をためたい。
▼社民党政策審議会長の吉田忠智参議院議員

3年半前に政権交代後連立政権に入り、政策合意に盛り込まれていたの
で、すぐに法案を出すべきだった。党首も閣内にいて努力したが、叶わな
かった。政権に参画した社民党として大変申し訳なく思っている。自民党
が先の衆議院選挙で勝ったので厳しい状況になっているが、参議院で賛成
勢力が多数を占める状況を踏まえながら、我が党は長年関わってきた福島
党首を中心に、みなさんとともに法改正に向けて全力で取り組んでいく決
意だ。
▼共産党参議院国対委員長の井上哲士参議院議員

総選挙で自民党が大きく議席を伸ばし、夫婦別姓に反対の人が政権の中
枢に相当入った。内閣府の世論調査で、選択的夫婦別姓は必要ないとする
声が、必要とする声を僅かに上回ったということで、反対派の人たちが鬼
の首をとったように報道するということも起きている。15年前の調査で
は賛成は13%、反対派66%だった。反対派の皆さんは家族の一体感が
損なわれるというが、96年の調査でも「家族の一体感」に影響ないと答
えたのは48.7%だった。今回の調査では59.8%、調査をやること
に増えている。反対派の論拠は壊れてきている。いろんな誤解もある。こ
うした世論を見据えながら、他の党のみなさんとも力を合わせながら実現
をしていきたい。
▼公明党法務部会長の遠山清彦衆議院議員

選択的夫婦別姓については10年前から公約に掲げている。昨年12月、
再び政権与党に復帰させていただいた。数の上では圧倒的に自民党が多い
中での連立与党なので、正直申し上げ、簡単なことではないと思うが、公
約を掲げて政権に復帰したので、与党で反対する方を粘り強く説得しなが
ら、一日も早く選択的夫婦別姓制度の導入にこぎつけたいと思う。
このほか、夫婦別姓訴訟の弁護団長の榊原富士子さん、旧姓使用権裁判
の原告の宮脇隆志さん、住民票訴訟の原告の菅原和之さんから、裁判の経
緯や意義について話がありました。
最後に、弁護士の打越さく良さんがアピールを読み上げ、満場一致で採
択し終了しました。
憲法24条、女性差別撤廃条約を遵守!民法改正を求める院内集会アピール
