手足にチューブを巻き付け、トレーニングする大砂嵐=福岡市東区の大嶽部屋で(竹尾和久撮影)
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名付けて「幕内定着養成ギプス」−。所要10場所と外国出身力士で最速のスピード新入幕を果たした大砂嵐(21)=大嶽=が九州場所(11月10日初日、福岡国際センター)に向けて課題の腰高矯正に懸命だ。博多湾に浮かぶ福岡市東区の志賀島にある宿舎で30日、手足にチューブを巻き付け、すり足を行う新トレーニング法を公開した。
1カ月ほど前に考案した「新兵器」を福岡に持参した大砂嵐。二重に束ねた自転車のチューブを手足に巻き付け、後ろの付け人に引っぱってもらいながら腰を下ろし、すり足で前進する。狙いは下半身強化と課題の腰高矯正だ。
「始めてから足の筋肉がでかくなった」と自慢げに太ももをさする大砂嵐。「腰を下ろさなきゃいけないから、すごくきつい。でも足の力を付けるため頑張る」と連日、海辺の宿舎で気持ち良さそうに大粒の汗を流している。希望に満ちあふれる新入幕。ツイッターやフェイスブックにはファンからのメッセージが殺到した。「すごくうれしい」と大砂嵐。その一方、高まるばかりの注目度に危機感も感じている。
「たくさんの人が『頑張れ』と声を掛けてくれる。でも場所が近づくごとに怖いし、緊張。ハイプレッシャーだよ」
これも幕内のレベルの高さを分かっているからだ。「十両と幕内ではスピードが全然違う。(新十両だった)名古屋場所でのプレッシャーが100なら今回は500。負けて応援してくれる人たちをガッカリさせられないから」と話す。
今場所の目標は「一日一日、いい相撲をとること」とあえて具体的な数字は挙げず、足下を見つめる大砂嵐。まずは幕内定着を目指し、腰高矯正に励む。 (竹尾和久)
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