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【プロ野球】

原巨人 執念逆転 神様が勝たせてくれた

2013年10月31日 紙面から

7回に勝ち越し打を放ち、ガッツポーズする巨人・寺内=東京ドーム

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◇日本シリーズ第4戦 巨人6−5楽天

 偉大な打者であり、不滅のV9に導いた名将でもあったOBの川上哲治さんの訃報が届いた日、巨人が供養の勝利を届けた。コナミ日本シリーズ2013は30日、東京ドームで第4戦を行い、巨人が7回に寺内の適時打で勝ち越し。楽天に先行される苦しい展開をはね返す、6−5の逆転勝利を収めた。これで対戦成績を2勝2敗のタイとした。東京ドームで行われる第5戦の予告先発は巨人が内海、楽天が辛島と発表された。

 天国の川上さん、見てくれていましたか−。巨人が最後まで絶対に諦めない“川上魂”で、大きな1勝をもぎ取った。

 初回に3点を先行されたが、5回に長野の2点適時二塁打で逆転。同点に追いつかれた後も7回に寺内がみせた執念の右前適時打で勝ち越した。V9を成し遂げた名将に弔いの白星をささげた原監督。胸には普段とは違う感慨が自然と浮かんでいた。

 「川上監督には大変お世話になりましたし、巨人軍の父である大先輩」と切り出した指揮官。お立ち台での声は珍しく震えていた。「きょうの勝利というものを喜んでくれていると思います」。衝撃ともいえる訃報が届いた日に2勝2敗のタイに戻した1勝は、百戦錬磨の原監督の中でも忘れられない1勝となっていた。

 チームワーク。V9から連綿と続く伝統を貫いた。現役時代に多摩川で直接指導を受けるなど親交が深かった指揮官。巨人の采配をふるうようになってからも、宮崎キャンプの前などに手紙や電話をもらうなど折に触れて、さまざまな指南を受けていた。川上野球の魂は後輩である原監督の心の中にも宿っていた。

 打線が不振のまま臨んだ第4戦。1番・長野と2番・寺内以外は打順とメンバーを入れ替えるオーダー変更を敢行した。大胆とみえるテコ入れ策を講じた原監督はこう信じていた。「スタメンが変わっただけだ」。4回の亀井や松本哲をはじめ戦力を惜しげもなく投入。V9野球と同様、全員で戦うという姿勢を最後の最後まで貫いた。

 その結果が極めて大きな価値を持つ1勝につながった。川上監督が成し遂げて以来となる2年連続日本一まであと2勝。31日の第5戦をものにすれば、王手をかけた状態で、田中将大が待ち構える敵地・仙台に乗り込むことができる。原監督の言葉にも力がこもる。

 「折り返したというところで、ほとんどの選手が戦いの場に出られた。落ち着いて戦っていきたい」。31日は本拠地・東京ドームでの最終戦。目標達成のため、諦めずに突進し続ける巨人魂にあふれる指揮官。こん身のタクトを振るって、チームを前へ進ませていく。 (川越亮太)

 

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