核燃料サイクル施設:完成延期幅「未定」に
毎日新聞 2013年10月29日 22時05分(最終更新 10月29日 22時26分)
日本原燃とリサイクル燃料貯蔵(RFS)が下北半島での稼働を予定する核燃料サイクル施設の工事計画で、完成・操業時期を「未定」として原子力規制委員会に届け出ることが29日、青森県に報告され、県内の原子力事業の「視界不良」が一層際立った。原燃とRFSは規制委が12月に施行するサイクル施設向けの新規制基準を念頭に、年内に具体的な時期を提示する方針だが、規制委がどのように安全審査に臨むかが見極められず苦慮している。
延期幅が「未定」となったのは、原燃が六ケ所村に建設中の使用済み核燃料再処理工場と、RFSがむつ市に建設した中間貯蔵施設。再処理工場の完成延期は20回目、中間貯蔵施設は3回目。新基準施行まで、完成や操業開始に必要な「使用前検査」を受検できず、その後の規制委による安全審査の期間も見通しが立たないため、新たな工程を示せない異例の事態となった。今年度の再処理工場の利用計画や、中間貯蔵施設の貯蔵計画も「未定」に変更する。
原燃の川井吉彦社長とRFSの久保誠社長が29日、個別に県庁を訪れ、佐々木郁夫副知事に延期を報告。副知事は「新基準にしっかり対応し、県民への周知に努力してほしい」と求めた。また、三村申吾知事は「安全確保が第一で、規制委による安全性の確認が前提。国や事業者の対応状況を厳しく見極めていく」とのコメントを発表した。
両社長はその後個別に記者会見し、原燃の川井社長は「結果として延期になり残念だが、安全を基本から再確認する大きな機会ととらえている」とした。新たな工程は早ければ年内に県や六ケ所村に提示。同時に新基準への対応状況なども示し、安全協定に基づく県と村の事前了解を得た上で、安全審査を規制委に申請するとした。
RFSの久保社長は「新基準申請の際に、新たな操業開始時期を示したい」と話した。中間貯蔵施設は現時点で安全協定がなく、申請の事前了解は必要ないが「地元にきっちり説明する」と語った。【酒造唯】