宮城県議会:歴史教科書の点数評価採択 「つくる会」請願

毎日新聞 2013年10月30日 11時48分(最終更新 10月30日 13時11分)

 ただし、どのような点数でどう評価するかなどの具体的な方法については記述がない。この請願に対し、市民団体や弁護士は反対を表明。「自由法曹団」同県支部は「請願の評価対象例は、『つくる会』が勧める教科書の点数が高くなるような項目を設定しており、特定の教科書を推薦するのに等しい」と指摘。請願の採択を「政治の教育への介入で、県議会の権限を逸脱する行為」(草場裕之支部長)と批判する。

 宮城県教委は今回の請願に従う義務はないが、「点数化は聞いたことがない」と戸惑いを隠せない様子。県教委義務教育課は「重く受け止める。市町村教委に教科書採択の参考資料として、各社の特色を分かりやすい形で示していきたいが、点数化するかは今後検討する」と話している。

 宮城県では、県教科用図書選定審議会の専門委員が、市町村教委向けの資料を作成。記述の分かりやすさなどを文章で示している。天皇についての記述など具体的な内容には踏み込んでいない。

 また、東京都教委は4段階の星印で評価。歴史教科書では、日本の文化・伝統を扱っている箇所数などについて星の数を示した。ただし「星の数が多いから良い、悪いという意味ではない」とする。

 つくる会が、教科書採択に県教委の指導強化を求めた請願は過去、岡山県議会などで採択され、宮城県議会でも2005年、公平な審査を求める請願が採択された。だが、つくる会と連携する自由社の教科書のシェア(12年度)は歴史、公民とも全国シェア0.1%。【久木田照子、山越峰一郎】

◇「つくる会」が例示した歴史・公民教科書の評価項目

<歴史>

(1)神話

(2)天皇

(3)大和朝廷

(4)古事記・日本書紀・万葉集

(5)元寇

(6)文禄・慶長の役

(7)幕末・明治維新

(8)日清・日露戦争

(9)韓国併合

(10)日中戦争

(11)大東亜戦争(太平洋戦争)

(12)占領統治時代

<公民>

(1)宗教・家族

(2)愛郷心と愛国心

(3)公共の精神

(4)国家論

(5)自衛隊

(6)公共財の捉え方

(7)日の丸と君が代

(8)領土問題と日本人拉致問題

(9)沖縄の米軍基地

(10)国際連合・核兵器問題

(11)日本の歴史と立憲主義

(12)大日本帝国憲法

(13)日本国憲法成立過程

(14)天皇

(15)平等主義と自由主義

(16)在日韓国・朝鮮人・アイヌ

(17)間接民主主義と直接民主主義

(18)市場経済と計画経済

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