まだ、ひとつの仕事しかしてないの?

2013/10/31


ぼくの周りでは、「ふたつ以上の仕事を持つこと」が半ばデフォルトになりつつあります。


まだ、ひとつしか仕事してないの?

たとえば、大手広告代理店で働くAさん。

彼はDとかHとかそれ系の代理店でバリバリと働きつつも、土日や朝の時間を使ってNPO支援を行っています。NPO支援の方はお金にはなっていないようですが、仲間たちとともに長期的に取り組んでいます。

ぼくがやっているテントセンと同じですが、「いずれ、NPOが産業として成長してきたらビジネス化したい」と話していました。ということは、ボランティアではありつつも、長期スパンで見た「新規事業開拓の仕事」とも言えるわけですね。


たとえば超優秀な若手編集者、佐藤慶一氏。個人的にも、頼りにしまくってます。

彼はgreenzオルタナSなど、様々な媒体で記者もやりつつ、現代ビジネス「ソーシャライズ!」テントセンマガジンビッグイシュー・オンラインの編集サポートをしつつ、それでいてトジョウエンジンの編集長をしています。何人いるんだこの人は。今後はフリーランス編集者として、様々な媒体の裏方として活躍していく予定のようです。


たとえば知り合いのデザイナー、Sさん。

彼は上場間近といわれるベンチャー企業で働きながら、土日の時間を使って友人たちとウェブサービスを開発しています。サービスはまだ収益化できていませんが、このサービスががうまくいけば、彼は会社化してそこで働くか、今の会社と並行して働くことになるのでしょう。


と、まぁ、ぼくの周りには「平日は会社に勤務しているが、土日に違う仕事をしている」「フリーランス、起業家として複数の仕事を同時並行で回している」なんて属性の方が山ほどいます。大袈裟ではなく、ひとつの仕事しかしていない人を探す方が難しい。一つの仕事にどっぷりというのは、ベンチャー起業の経営者ぐらいですかね…。


ふたつ以上の仕事をするメリット

よく言われることですが、ふたつ以上の仕事をすることは、メリットがたくさんあります。以下、目立ったところをリストアップ。

・収入源の分散化(仕事がなくなっても、すぐに収入ゼロにならない)
・人脈の維持、拡大
・本業におけるコラボレーション可能性の向上
・いざとなったときの転職先の確保
・多様な仕事に触れることによる「スキルアップ」
・副業を楽しむことによる、モチベーションの維持

他にも、ふたつ目以降の仕事は「婚活の場」としても機能すると伺ったことがあります。その方は本業エンジニアで、土日はプロボノとしてNGOの手伝いをしている方。確かに、男女比は大きく違うでしょうね。


国策としての「副業解禁」

ふたつ以上の仕事をすることのデメリットについても考えたのですが、特段思い付きませんでした。強いてあるとすれば、会社が副業禁止している場合は、無理して副業をしてしまうと会社から怒られる可能性がある、とかそういうくだらない話ですかね…。

先般の不況もあって、最近は副業を解禁する会社も増えているようです(「副業解禁」で可視化されるビジネスパーソンの市場価値)。要するに「残業代出せないから残業しないでくれ、収入が足りないなら、他で稼いでくれ」ということですね。

こういう企業の論理が示す通り、ふたつ以上の仕事をすることは、働く人のセーフティネットを強固にする効果もあります。企業としても、いざとなったときのワークシェアリングなどが容易になります。

というわけで、副業の積極的な推進は国策として進めても良いレベルではないかと、個人的には考えていたりします。ただ、副業を解禁することで成果主義が強化されるはずなので、運用のバランスは難しいでしょうね。


というわけで、みなさんもぜひ、ふたつ以上の仕事を持ってみてください。お金を稼ぐと会社の目が怖い、という方はボランティアから始めるのがよいかと。CollaVolあたりに案件たくさん載ってますよ。


関連本は迷わずこちら。ふたつ以上の仕事をする、という働き方について事例付きで解説している作品です。Kindle版もあり。

このエントリーをはてなブックマークに追加

更新情報をゲットしたい、という方は以下からぜひ。ぼくが喜びます。





1732 follow us in feedly

***プレミアムスポンサー***


[PR] 無料でHTML5ウェブサイトを作るなら「wix」




99円の電子書籍出しました!iPhone/Androidでも読めます



最新記事

  • マクドナルドのホームレス排除問題。背後にある「住宅政策」という課題
  • まだ、ひとつの仕事しかしてないの?
  • スタートアップ、NPOこそ「プレス向けページ」を用意しよう
  • 「限界集落」は都市を捨てた若者たちの住処となる:ローカル・ハイパーノマドの台頭
  • 21世紀、昆虫食がやってくる。生産性も栄養価も高い!
  • あまり知られていないFacebookの「裏技」5選
  • アルボムッレ・スマナサーラ「箭経:親しい人を亡くしたときに」
  • 「ネタ切れ」なんて一生来ない!ブログのネタ元を公開します
  • アレックス・クチンスキー「ビューティ・ジャンキー」
  • 子どもは「育てる」ものではなく、「勝手に育つ」ものです
  • 「NPO版TED」を目指すカンファレンス「R-SIC(アール・シック)」に注目!(12/6@京都)
  • 「努力すれば成功する」というのは昔の価値観ですよ
  • きっかけはリポビタンD!レッドブル社の知られざる12の事実
  • 「いざとなったら、地方に移住すればいい」という「逃げ道」を持とう
  • 紀伊国屋書店@新宿で、医療ビジネスについて語り合います(11/11夜)
  • 「不採用の理由」を伝えるのは、企業の社会的責任ですよ
  • 古民家で働く。「飛騨里山オフィス」がメディア関係者向けのキャンペーンを実施中
  • ブロガーよ、地方に出よ。田舎は「まだデジタル化されてないコンテンツ」の宝庫だ
  • 「本当に面白い本」は、Amazonレビューで賛否両論・炎上状態になる
  • カフェ「6次元」オーナー・ナカムラクニオ氏の「カフェ論」が熱い