2007年11月25日│ニュース

「折り紙で多くの人を癒やしたい」



 「折り紙は、いつもわたしを元気づけてくれる大切な存在」―。そう笑顔で話す県立大学2年生の原田佳織さん(23)は、中学3年生の時に脳の病気だということが判明し入院。病室で折り紙と出合い、折ることで闘病生活を乗り越えた彼女は「折り紙で多くの人を癒やしたい」と思うようになった。現在、地域でのイベントに参加し作品展を行ったりワークショップをしたりといった地道な活動を展開している。

 「ここはこう折るんだよ」と、子どもたちに笑顔で折り方を教える原田さん。いつも笑顔を絶やさず明るく気さくな彼女だが、約7年前の中学3年生のころ脳幹部橋出血という病気であることが判明。手術を受けたものの、入院中に2回目の出血が起こり、左半身まひになり、手足が動かず車いすが必要な生活を送っていた経験がある。
 そんな原田さんが現在のような折り紙の活動を始めるきっかけになったのは、同じ病室に入院していた一つ年上の女性との出会い。「病院で友達なんてできないだろう」と思っていた原田さんに、彼女は折り紙で折ったウルトラマンを手渡しながらきさくに話しかけてくれた。
 それをきっかけに二人は意気投合。日本折紙協会に入っていた彼女を中心に、同い年くらいの子たちと一緒にくす玉やユリの花、千羽鶴を折ったりと、今まで自分のことを受け止めるのに精いっぱいだった彼女だったが、少しずつ心にゆとりを持てるようになっていった。原田さんは「彼女から手渡されたウルトラマンは、自分にとってただの折り紙じゃなく、あたたかい心のこもった贈り物に思えた。何もする気が起きなかった気持ちに光が差したようだった」と振り返る。
 退院後も3年間の自宅療養を行い、人とほとんど会うことができなかった原田さんだったが、そんな日々を支えてくれたのも友達が教えてくれた折り紙だった。「ウルトラマンの折り方だけは忘れたくない」という思いから折り紙に向かい、折り続けた。
 病状は、自宅療養と体力向上によって次第に回復。今でも、少しずつ出血は続いており半年に1回は病院に通っているものの、手足のまひもほとんどなく普通の生活ができるまでになった。 
 また、「自分が体験したように折り紙で人の心を癒やしたい」と、折り紙の活動も精力的に展開。2年前にNPO法人アス・ライフサポートで1カ月にわたる折り紙展を行ったほか、昨年にはほっとサロン中市「まちのえき」で折り紙を通して利用者たちと交流した。今月19日には、大殿ふるさとまつりで第2回折り紙作品展とワークショップを開き、多くの人に折り紙の楽しさを伝えている。
 「病気はマイナスなことだったけれども、病気にならなければわからなかった人の痛みなどを教えてくれた。だからこそ今の活動をしたいと思うようになった。自分の作品を通して、見た人に何かプラスになるものを感じてもらいたい」と原田さんは力強く語る。


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Posted by スタッフ at 00:00│Comments(0)
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