全体表示

[ リスト ]

辛坊次郎/府庁咲洲移転断念

咲洲庁舎への「本庁舎移転」を一時凍結 橋下知事方針 

産経新聞 2011.3.16  
 
東日本大震災を受けて、大阪府庁咲洲庁舎(旧WTCビル)への本庁舎移転を目指していた橋下徹知事は16日、「全面移転をごり押すつもりはない。ワンクッションおいて考え直す」と述べ、本庁舎移転構想を一時凍結する考えを明らかにした。
知事が代表を務める大阪維新の会は、咲洲庁舎への本庁舎移転を掲げてきたが、この日は「統一選の争点からは落とさなくてはならない」と言及した。
今回の震災で想定外の津波が発生したことをもとに、府の被害想定などを再検証したうえで、防災拠点のあり方を考え直すとしており、統一選後の5、6月ごろに方針をまとめるという。
今回の地震で大阪は震度3だったが、咲洲庁舎では高層ビル特有の長周期地震動が発生したとみられ、エレベーターの長時間閉じ込めやパネルの落下、100カ所以上のひび割れが起きるなど、府内有数の被害が出ていた。
 
本庁舎移転構想をめぐっては、防災拠点としての脆弱性が指摘され、これまで府議会で2度にわたり否決されている。
橋下知事は「偶然だが、否決されていたことで今回、考える機会を持てた。猛勉強しながら、自分の頭を整理したい」と述べた。
 
3・11の大震災以降に変わらねばならぬことが日本中、あらゆる方面に多々あって、これもまたその一つ。
立場上の有利不利とか、見栄や意地とかじゃなく、何が正解かを純粋に考えた結果なら、それを支持する。
 
―― 「大阪府庁舎咲洲全面移転断念、耐震性に懸念」(産経新聞)。
 
辛坊次郎:
こういう純粋なローカルニュースが、新聞のトップにくるのは珍しいんですが、もちろん関西版なんですけども、ほぼ、全紙一面トップですね。
朝日新聞は「橋下、耐震性を考慮」、読売は「橋下、突然の白旗、ダブル選への影響必至」、毎日新聞「突然表明も橋下流、意外としたたか」――
いずれも大きく取り上げてます。
なんでこんなに大きな話題になってるかというと、元々、この橋下府政が始まった段階で、非常に懸案になってたのが大阪市のWTCっていう建物なんです。
これはつくったものの、とにかく赤字タレ流しでどうにもならなかった。
で、何回も潰れて、潰れて、みたいなことを繰り返して、「何とかしてくれ」って大阪市が大阪府に泣きついて…当時は「邦夫ちゃん、徹ちゃん」で橋下さん、平松さんも蜜月時代だったから、橋下知事が、今の庁舎も古くて耐震補強にもものすごくお金がかかるからと、そんなに金かかるくらいなら、咲洲に移転してしまえば、大阪市も助かるし、大阪府も耐震補強にお金使わなくて済むし、「これは大阪都の建物としてもちょうど良いんじゃないか」ということで大阪市から買い取るという話になったんですが、当時は、大阪府議会は橋下さんの党派が少なかったんで、否決されたんです。
で、「だったら、俺が党首になって」と言って…それが維新の会発足のきっかけだったんです。大阪府庁咲洲移転が。
だから橋下府政の原点みたいなもんだから、これを断念するっていうことは政治的に非常に大きな意味があるってことで、各紙大きく取り上げてるんですが…
 
結局、大阪市から買い取って、買い取った後でいろいろ調べてみたら、「ちょっと、これ地震が起きたらマズくない?」ってことになって、話合いが行われてきたんですけども、今回の東日本大震災で、あのとき結構揺れたんですよ。
で、こんなに揺れんの?って話になって、もう一回専門家を集めて話を聞こうってことになって、そのとき、WTCのビルが三連動地震っていうのが来たときに、揺れが6㍍幅くらいになるんじゃないかと…ボキッと折れることはないけども、かなり中がグチャグチャになって、そうすると、司令塔にならなきゃいけないのに、大変じゃないかってことになった。
その点で行くと、今の大阪府庁、ここはダメなんですよ、全然。
耐震が弱くて地震があったらぶっ壊れるんで、どっちにせよ、どっちも耐震はしなきゃいけないんだけども、どっちが場所的にいいかって言うと、今の大阪府庁は歴史的にも「上町台地」と言ってですね、地盤の固いとこなんです。
だから大津波が来ても、あそこだけが残るんですって。
こないだマップ見てたんですけど、津波が起きて確実に残るところっていうのは…大阪城と大阪府警、大阪府庁、NHKは残ります。
だから、耐震をちゃんとやれば、今のままのほうがいいんじゃないかって話なんです。
 
これに関して言うといろんな見解があって、大阪維新の会もビックリしてるみたいで、読売新聞では、「大阪維新の会府議団は16日、橋下知事の全面移転を促す提言をまとめたばかり。若手議員の一部は知事の断念を聞き、え、ほんまか、と仰天した。維新側はこれまで、庁舎移転を知事・市長のダブル選の争点にして一気に決着をつけようと動いてきただけに、戦略の練り直しは必至だ」―― という、そういう話がある一方で、いや、意外に”したたか”なんだと言うのが毎日新聞。「移転構想に反対してきた既成政党の府議団は11月の知事・大阪市長のダブル選を見据えた「したたかな戦略」と見る。「全面移転が得点にならないと判断、断念の責任を巧みに専門家に押しつけたのでは」(公明幹部)との見方もある」――
朝日新聞「11月の知事・大阪市長のダブル選を前にした方針転換は、政治的なダメージになりかねない。専門家の討論という”舞台”での断念表明は、潔さを強調したとも思わせる」――
ただ、一般の大阪府民にとっては、あんまり府庁の移転問題って関心ないんじゃないかと…
要するに市役所って場所、重要なんですけど、今は別に府庁に行く用事ってないでしょ。
パスポートだって今は、パスポートセンターに行くし。
大阪府民でも大阪府庁に一生行くことない人って結構いるんじゃないかと思うんですが(笑)、だから、どこにあってもいいじゃん、っていうのが元々の発想としてあった。
議会が反対してたのだって、橋下が言うことだからケッタクソ悪いって言って反対したんだけども、学問的に地震というものを突き詰めて考えたときに、今の上町台地のほうが岩盤も強くて、他よりも高い位置になるんで水害にも強くて、いいんじゃないかと…ただ、建物が古いんで耐震補強するとなるとものすごくお金がかかるんです。
 
『す・またん』8月19日
 
過ちをあらたむるに憚ることなかれ――
 
政局重視でなく、マニフェストにこだわって間違った方向に突き進むのではなく、
机上のファンタジーより、現場の意見を重視するのが橋下流。
 
全面移転が得点にならないと判断、断念の責任を巧みに専門家に押しつけたのでは」(公明幹部)
いかにもゲスな勘繰りだ。
全面移転断念は得点にならないどころか、かなり手痛い失点。
橋下は今後、「WTCの活用が困難な場合は全面撤退もある得る」とまで言ってるんだ。
得点になるならないじゃなく、移転しないこと自体が大問題なんだ。
橋下の出方に必要以上に怯え、過大評価してる公明党幹部。
いかにも、ピントがズレてる。
専門家の討論という”舞台”での断念表明は、潔さを強調したとも思わせる(朝日新聞)――
むしろ、こっちの見方が近いように思う。
 
これだけは言える。
国の原発のストレステストなどのようなただのアリバイづくりと違い、
ガチンコで専門家と議論を戦わせ、無理とわかれば取り繕うことなく、潔く自説を断念した橋下は独裁的ではない、和を以って、知恵を集めて事を決める柔軟なバランス感覚を持ったリーダーということ。

閉じる コメント(4)

顔アイコン

橋下知事にとっては、槇尾川ダムの中止に続いて、二度目の大きな政治的決断だと思います。ただ、結果論からいくと、けったくそ悪いという理由で、移転に反対し続けた府議会のおかげで、全面移転しなかったのは、一応、府議会のお手柄ということになるのかな。

2011/8/19(金) 午後 0:41 [ ozaki love ]

顔アイコン

ozaki lovesann、コメントありがとうございます。
言えてる(笑)。
これも国政の民主党と違い、状況が変われば、真摯に方針を変える柔軟さが橋下にあるからこそだと思いますす。

2011/8/19(金) 午後 9:39 伊右作

コピーさせていただきます、

2011/8/20(土) 午後 3:08 [ huu ]

顔アイコン

[ CRYSTAL-B ] さん、これからもよろしくお願いします。

2011/8/21(日) 午前 11:13 伊右作

コメント投稿
名前パスワードブログ
絵文字
×
  • SoftBank1
  • SoftBank2
  • SoftBank3
  • SoftBank4
  • docomo1
  • docomo2
  • au1
  • au2
  • au3
  • au4
投稿

閉じる トラックバック(0)

トラックバックされた記事

トラックバックされている記事がありません。

トラックバック先の記事

  • トラックバック先の記事がありません。
PR

.
 今日全体
訪問者13603628
ブログリンク0135
コメント020856
トラックバック0521

人気度

ヘルプ

Yahoo Image

1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31

eコマース革命、始動
毎月60万ポイントをブロガーで山分け

プライバシーポリシー -  利用規約 -  ガイドライン -  順守事項 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2013 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事