電力寄付打ち切り:青森の25市町村、県に肩代わり要請

毎日新聞 2013年10月28日 22時07分(最終更新 10月28日 23時04分)

寄付が打ち切られる25市町村
寄付が打ち切られる25市町村

 原子力関連施設の受け入れに伴い、電力業界が青森県の自治体のうち青森市など25市町村に続けていた寄付が今年度で打ち切られることになり、同県の市・町村会が28日、県に財政支援を求める要請書を三村申吾知事に手渡した。打ち切りは東京電力福島第1原発事故による各社の経営悪化が要因だが、県への肩代わり要請の背景には「電力マネー」依存が続く自治体の現状がある。

 寄付は電力10社で作る電気事業連合会と日本原燃が1994年度から行い、祭りや花火大会などの地域振興事業に充てられてきた。青森県が核燃料サイクル施設を受け入れる「見返り」として創設され、20年間の累計額は約130億円。県の公益財団法人「むつ小川原地域・産業振興財団」が分配し、5年ごとに更新。今年度が最終年度だった。震災後の2011、12年度の寄付額は各13億7000万円で、今年度は8億7200万円の計画。

 28日は県内10市の市長会の鹿内博会長(青森市長)と、県内30町村で作る町村会の舘岡一郎会長(板柳町長)が三村知事を訪れ、「新たな支援制度を」と要請した。知事は「『全県振興』は必要と認識している。重く受け止めるが、財政を勘案し総合判断したい」と応じるにとどめた。

 同県内の六ケ所村など15市町村には電源3法による国の交付制度があるが、対象外となる25市町村に電力業界が「配慮」を示すために寄付が行われてきた。県幹部は支援要請に対し「財政が苦しい。県民の理解が得られるのか……」と苦慮する。

 地方財政から見た原発立地問題に詳しい福島大の清水修二教授(財政学)は「『打ち切りは困る』という市町村の財政構造自体がゆがんでおり問題。そういう制度を進めてきた県が負担を求められるのは自業自得と言わざるを得ない」と指摘。福井県立大の井上武史講師は「青森には(原発だけではなく)核燃サイクル施設という特別な事情がある。激変緩和措置が必要だ」と話している。【酒造唯、吉田勝】

 【ことば】電源3法交付金

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