今、巷を騒がせるMRI事件。

昨日、金融商品取引業者の社長としての立場で、MRI事件に関するメディアの取材を受けました。
同時に各マスコミ宛に以下のプレスリリースも出しました。

MRIインターナショナル事件で学ぶ「虚偽ファンドの見分け方／アブラハム・プライベートバンク
投資家が虚偽ファンドを見分ける４つのチェックポイント
１．高い金利での元本保証を謳っていないこと
２．投資ファンドのスキームに第三者機関が介在し、透明性があること （図１）
３．年率15％以上の運用実績は疑うべき （図２）
４．販売者と独立した第三者に相談すること （図３）


一番大事なのは、４の「第三者プロ」への相談です。

去年のAIJ事件では、素人の企業年金担当者が狙われました。
普通、企業年金は、投資コンサルを雇うのですが、AIJは投資コンサルを雇っていない無知な年金担当者だけを狙い撃ちして騙しました。

今年のMRI事件では、犯人は日系米国人のようですが、投資コンサルを雇う習慣の無い無知な日本人だけを狙って騙したというわけです。

いずれにせよ、買い手側の知識が高まらない限り、売り手側をいくら当局が規制しても無駄でしょう。
日本人の金融リテラシーは8か国中、最下位（ダートマス大とペンシルバニア大の研究）ですから、
ここから脱出するのがまず最初にすべきことです。

そもそも、金融商品の販売業者と、投資家の間では利害が相反する場合があります。
売手の利益となる販売手数料が高い商品と、投資家の利益となる商品は異なる場合があるからです。

だから、このような利益相反を避けるべきだと判断できる金融リテラシー高いイギリスの個人投資家は、
IFA（＝投資助言会社）というプロのアドバイスをもとに金融商品を購入しています。
つまり、買い手がプロを雇って、売り手と緊張感をもって対峙しているわけです。

以下グラフは、イギリスの投資家がどういうチャネルを通じて、金融商品を購入しているかを示すものです。

IFA






















英国投資家の約７２％が、独立した第三者であるIFA（独立系投資助言会社・買手側のアドバイザー）による中立的な立場からのアドバイスに基づき金融商品を購入しています。逆に販売業者（銀行・証券）から購入する割合は約１２％に過ぎません。


一方で、日本では依然として、約９９％が販売業者から購入している状況です（野村総研調べ）。
日本人の金融リテラシーが高ければ、こんな状況にはならないはずなのですが。。



アベノミクスで劇的な方向転換をしたこれからの日本。
貯蓄社会から投資社会へと世の中が急激に変わるいまこそ、
日本人全員の金融リテラシーが高まることが急務です。

「日本人の金融リテラシーは8か国中最下位」。
この現実を1人1人がもっと自覚した上で、自力で変わっていく必要があります。


参考：
AIJ投資顧問事件の本質：虚偽業者・虚偽ファンドを見分ける３つのチェックポイント／アブラハムグループ社長ブログ

1300億円を消失したMRIに実態が無いことをは業界では有名だった／海外投資新聞

世界のトップファンドの選び方を教えて下さい／いつかはゆかしQ&A