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バーミヤンの大仏に独チームが無断で“足”
10月30日 11時48分

バーミヤンの大仏に独チームが無断で“足”
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12年前、アフガニスタンのタリバン政権に破壊された世界的な文化遺産のバーミヤン遺跡の大仏の1体に、ドイツの専門家チームが、ユネスコに無断で足のような構造物を作っていたことが分かりました。
ユネスコは、「作り方や形状の十分な検証がされておらず世界遺産にはふさわしくない」として工事を中止させました。

構造物が作られたのは、2体ある大仏のうち、6世紀に作られ、2001年にアフガニスタンの大部分を支配していたイスラム原理主義勢力、タリバンに破壊された高さ38メートルの「東大仏」があった場所です。
先月、3年ぶりに現地で調査した日本の専門家チームが、もともと大仏の足があった場所に、れんがや鉄筋で作られた高さ4メートルほどの円筒形の構造物があるのを確認しました。
遺跡の保護に当たっていたドイツの専門家チームがユネスコに無断で作ったもので、ユネスコは、「作り方や形状の十分な検証がされておらず世界遺産にはふさわしくない」として、工事を中止させました。
バーミヤンでは2003年から主に日本の信託基金で遺跡の保護が行われていますが、この大仏を巡っては、壊れた状態で残すのか、元の姿に再建すべきか、国際的な専門家会議の方針が決まっていません。
構造物についてドイツ側は「落石防止用の屋根の柱だ。大仏があったことを記念するために足の形にした」と説明しています。
一方、ユネスコのキショー・ラオ世界遺産センター長は、「足のような構造物を作るとは全く知らなかった。現地調査を行ったうえで遺跡の保護がどうあるべきか改めて検討したい」と話しています。
この構造物をバーミヤン遺跡で確認した東京文化財研究所の山内和也地域環境研究室長は「安全を確保するためのものならほかにも方法があり、構造物の形からみても大仏再建の第一歩ととられかねない」と指摘したうえで、「大仏を再建すべきかどうかは専門家や地元当局、住民との合意のうえで決めるべきだ」と話しています。

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