ドイツ銀：７－９月は94％減益－債券トレーディング収入低迷

　　10月29日（ブルームバーグ）：収入ベースで欧州最大の投資銀行、ドイツ銀行 の７－９月（第３四半期）の利益は前年同期比94％減少した。債券トレーディング収入の落ち込みに加え、訴訟費用の引当金計上が響いた。

29日に同社ウェブサイトで発表された資料によると、純利益は4100万ユーロ（約55億1000万円）。前年同期は７億4700万ユーロだった。ブルームバーグがまとめたアナリスト12人の予想平均４億3000万ユーロも下回った。

米金融当局が量的緩和縮小を開始するのかどうか不透明感が広がったことを背景に、投資銀行各行の利益の主要部分を占める債券トレーディングは減少した。銀行間取引金利の操作をめぐる調査や米住宅市場関連訴訟に直面しているドイツ銀のアンシュー・ジェイン、ユルゲン・フィッチェン共同最高経営責任者（ＣＥＯ）は、引当金積み増しを余儀なくされている。

Ｍ・Ｍ・ウォーバーグのアナリスト、アンドレアス・プレジエ氏は決算発表前の電話取材で、「ドイツ銀の債券トレーディング収入は他の投資銀と同様に圧力を受けている」と指摘。「ドイツ銀は依然として組織再編や訴訟関連など数多くのコスト負担を迫られている」と述べていた。同氏は先週、同行株式の投資判断を「買い」から「ホールド」に引き下げた。

ドイツ銀の７－９月期の債券・その他のトレーディング収入は前年同期比48％減の12億9000万ユーロ。ブルームバーグがまとめた市場予想の15億9000万ユーロに届かなかった。ドイツ銀の発表資料 によれば、同収入は2012年の利益の約27％を占めた。

９月末の訴訟関連の引当金は41億ユーロ。６月末時点は30億ユーロだった。

原題：Deutsche Bank Profit Slumps 94% as Debt Trading RevenueDeclines（抜粋）

記事に関する記者への問い合わせ先：Frankfurt Nicholas Comfort ncomfort1@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先：Frank Connelly fconnelly@bloomberg.net

更新日時: 2013/10/29 16:05 JST