復興交付金:6億円過払い…17自治体、無関係工事に使用
毎日新聞 2013年10月29日 20時37分(最終更新 10月29日 20時53分)
全国の17自治体が、東日本大震災の被災地向けの特別交付金を復旧・復興とは関係のない工事に使うなどして計約6億2500万円が過大に交付されていたことが、会計検査院の調査で分かった。指摘を受けた総務省は過払い分を今後支払う交付金から差し引くことを決めた。
検査院は、岩手、宮城、福島の3県以外の78自治体が2011、12年度に受け取った特別交付金のうち、被災公共施設の復旧工事に充てる経費を調べた。
震災と無関係の工事に使われていた交付金は計約9800万円で、栃木県は県立高の暖房設備工事に、さいたま市など7自治体は老朽化した建物の補強などに充てていた。
また、宇都宮市は小学校校舎の復旧工事に約3600万円の交付金を充てたが、本来は文部科学省の補助金で賄うべきだった。同様に、別の補助金を充てるべきだった事例が、千葉県など6自治体で計約1億5800万円あった。
このほか、栃木県など7自治体は、自治体の所有でない施設の復旧工事に計約1億9000万円を充て、水戸市など2自治体は、複数の部署が同じ工事について交付金を請求して約1億4000万円が二重払いだった。
検査院は総務省に対し、交付金の対象となる工事の範囲を十分周知するよう求めた。同省財政課は「再発防止に努めたい」としている。【神足俊輔】