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週刊・上杉隆
【第137回】 2010年8月5日
著者・コラム紹介バックナンバー
上杉 隆 [(株)NO BORDER代表取締役]

テレビ局宛ての訂正でお茶を濁さず、
野中広務氏は筆者に訂正・謝罪を

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 先週水曜日、関西テレビの情報番組「ニュースアンカー」に出演した野中広務元官房長官が、筆者に対する的外れな批判を行ったことは、先週の本コラムで述べた通りだ。

 まずは、番組の中での野中氏の発言を振り返ってみよう。

〈私はね、この上杉さんというのは無責任だと思う。あの人、私に、いっぺんもですね、インタビューなんかしたことがないですよ。それに、その「週刊ポスト」とか「フライデー」とかこういうところでね、電車のつり革に「野中激白」とかこういうのでですね、みなさん、その中を読んだら、私の名前なんか一回もないですよ〉

 さらに、いったん間をあけてからこうも言い放っている。

〈非常にね、あの人がジャーナリストで、あーいうようにね、ポストを通じてこられるというのはね、みんな中身見てください、私の言葉がどこに出ておられるのか。都内の電車のつり革にはですね、『野中広務激白』とかみんな私の名前が出てくるんですよ。迷惑至極ですね。やっぱり私はああいう記者の方も自らモラルを持っていただかないと非常に残念に思っております〉

 驚くべきはこの発言に何一つ事実がないということだ。すべて、完璧な勘違いを元にこの老政治家は発言している。

 自らの発言や記事だったらまだしも、何一つ筆者の知らないことで批判されても反論のしようもないというものだ。

生まれて初めて、
テレビ局に抗議

 そこで、極めて異例のことだが、あまりにあまりのことなので、筆者は番組放送中に関西テレビに電話し、野中氏の間違いを指摘した。ちなみに筆者がこうした形でテレビ局に抗議をしたのは、生まれて初めてのことである。

 それでも、当初、無視を決め込んでいた野中氏だが、さすがにいくらなんでも無関係の人物を無関係の記事で攻撃しまう「冤罪」をやらかしてしまってバツが悪かったのだろう、事務所を通じて、自らの発言を訂正してきた。

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上杉 隆 [(株)NO BORDER代表取締役]

株式会社NO BORDER代表取締役。社団法人自由報道協会代表。元ジャーナリスト。1968年福岡県生まれ。都留文科大学卒業。テレビ局記者、衆議院議員公設秘書、ニューヨーク・タイムズ東京支局取材記者、フリージャーナリストなどを経て現在に至る。著書に『石原慎太郎「5人の参謀」』 『田中真紀子の恩讐』 『議員秘書という仮面―彼らは何でも知っている』 『田中真紀子の正体』 『小泉の勝利 メディアの敗北』 『官邸崩壊 安倍政権迷走の一年』 『ジャーナリズム崩壊』 『宰相不在―崩壊する政治とメディアを読み解く』 『世襲議員のからくり』 『民主党政権は日本をどう変えるのか』 『政権交代の内幕』 『記者クラブ崩壊 新聞・テレビとの200日戦争』 『暴走検察』 『なぜツイッターでつぶやくと日本が変わるのか』 『上杉隆の40字で答えなさい~きわめて非教科書的な「政治と社会の教科書」~』 『結果を求めない生き方 上杉流脱力仕事術』 『小鳥と柴犬と小沢イチローと』 『永田町奇譚』(共著) 『ウィキリークス以後の日本 自由報道協会(仮)とメディア革命』 『この国の「問題点」続・上杉隆の40字で答えなさい』 『報道災害【原発編】 事実を伝えないメディアの大罪』(共著) 『放課後ゴルフ倶楽部』 『だからテレビに嫌われる』(堀江貴文との共著)  『有事対応コミュニケーション力』(共著) 『国家の恥 一億総洗脳化の真実』 『新聞・テレビはなぜ平気で「ウソ」をつくのか』 『大手メディアが隠す ニュースにならなかったあぶない真実』


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