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【門田隆将】日本の英知を否定―婚外子「仰天」判決

WiLL 10月29日(火)17時52分配信

「事実婚」が横行

 私は、今回の判決は、日本で「法律婚」ではなく、「事実婚」が促進されるきっかけになる歴史的なものだと思う。いや、これをきっかけに日本は不倫にかぎらず、「事実婚」の天下となるだろう。
 たとえば、現行の制度では、事実婚の夫婦には、不妊治療の助成金を出さない自治体がほとんどだが、今後は、「助成金を出せ。出さないなら、法の下の平等に反する」と訴えられるケースも出てくるに違いない。
 すなわち「法律婚」と「事実婚」の差はなくなり、その点において、わざわざ「法律婚」を選択する意味がなくなるのである。
 現在、日本の婚外子は全体の二・二%に過ぎないそうだが、ゆくゆくは欧米並みの四〇%に近づく時代が来るだろう。
 それが、人間の「平等」というのなら、これほどヘンな「平等」はあるまい。遺産相続の時、長年住み慣れた家を追われ、現金化しなければならない時代は、文字通り、日本の伝統や家族というものを破壊する。

「偽善」で失われる本当の「平等」

 私が判決に違和感を抱くのは、冒頭に挙げたように、最高裁判事が全員一致で違憲とし、大手新聞がすべてこれを支持したからだ。平等の概念とは本来、崇高なものであり、なんでも「平等」を訴えて権利ばかりを主張する風潮に、最高裁も、そして大新聞も、毒されていることへの違和感にほかならない。
 それは、「偽善」と言い換えてもいいだろう。達せられることのない「平等」のために、本来守られるべきものが守れられない本末転倒の判決だったと言うべきかもしれない。
 かくて伝統的な家族制度は壊され、グローバル化された「国際社会」が日本にやってくることに、私は溜息を吐く。
「それ、差別だからね」「それは平等に反するわ」──そんな偽善に満ちた会話が飛び交う社会を見たくないのは、私だけだろうか。

門田隆将

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最終更新:10月29日(火)17時52分

WiLL

 

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