虚偽記載:民主候補陣営、衆院選3区収支報告書で疑い 県警が書類送検へ /秋田

毎日新聞 2013年10月28日 地方版

 昨年12月の衆院選秋田3区(横手市など)に民主党公認で立候補し落選した三井マリ子氏(65)が、選対事務局補佐を務めた女性を有印私文書偽造などの疑いで横手署に告発したことが分かった。女性は松浦大悟党県連代表(前参院議員)の秘書で、三井氏は「(自身が代表を務めた)党県第3区総支部の政党交付金の受け皿となる銀行口座を私に無断で開設するなど会計が不明朗で納得できない」としている。【小林洋子、松本紫帆】

 告発を受け、県警はこの女性らを任意で聴取。選挙運動費用収支報告書で虚偽記載の疑いがあるとして、出納責任者の男性らを公職選挙法違反容疑で近く書類送検する方針。

 県選管に提出した収支報告書によると、衆院選告示日の昨年12月4日に三井氏の選挙ポスター張りなどをした横手市などの有権者86人に労務の対価として報酬計81万9000円が支払われた。

 しかし、捜査関係者によると、86人の中には、実際はポスター張りをしていなかったり、ポスター張りをしたものの記載金額の一部しか受け取っていなかったりしたという。報酬は三井氏の党公認料で賄われた。県警はこうしたうその記載をした経緯とともに、浮いた金の使途を調べている。

 ◇三井氏が告発「政党交付金も不明朗」

 告発した三井氏は横手市出身で、東京都議などを務めた。衆院秋田3区の民主党現職の離党を受け、党県連から出馬を再三要請され、昨年10月に出馬を決意した。「落下傘候補」同然だったが、「松浦県連代表、松浦事務所が全面的に支援し、選挙準備を進める」と説得されたという。

 しかし、告発状によると、松浦氏秘書で選対事務局補佐の女性は党本部から配分される政党交付金の受け皿となる口座「民主党秋田県第3区総支部交付金受入口代表三井マリ子」を無断で開設。三井氏には他にも党公認料を受け入れる口座などがあったが、この口座については存在をいっさい知らされてなかったという。

 口座の記録によると、問題の口座には政党交付金計1300万円が振り込まれ、その後、三井氏の第3区総支部の口座に1200万円は移されたが、差額の100万円は入金されなかった。

 一連の問題について、民主党県連代表代行の虻川信一県議は「告発内容が分からない上、捜査中なので何かを言える段階にない」と話している。

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