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リニア誘致 「観光立国」京都vs「防災」奈良…前倒しなら中間駅策定急務
2013.10.28 21:59
リニア中央新幹線はJR東海が平成39年に東京・品川-名古屋間で先行開業させ、57年に大阪まで延伸する計画だ。品川-名古屋間の中間駅は今年9月に公表されたが、名古屋-大阪間ではまだ決まっていない。
自民党や産業界には国費投入で早期の全面開業を求める声が強く、山田佳臣社長は今月17日の記者会見で、自己負担する9兆円の建設費について「国から特別な配慮の提案があれば(受け入れも)検討したい」と表明。大阪までの早期延伸が取り沙汰された。
仮にJR東海が計画を前倒しする場合、名古屋-大阪間もルート策定が急務。国費投入となれば、策定に政治的な駆け引きの余地が生まれる可能性がある。
今回の団体結成は、こうした動向と歩調を合わせたとみることもできるが、高台寺の後藤典生執事長は「戦略として同時開業は必要だが、あくまで京都誘致を優先して取り組みたい」と語る。
ただ、昭和48年の基本計画や平成23年の整備計画では「奈良市付近」を通ると明記されており、JR東海もルート変更には否定的で、巻き返しを図る京都の思惑をよそに奈良の優位は揺るぎない。
さらに、奈良県側は「災害時の代替手段として東海道新幹線とは別ルートを通すべきだ」との大義名分を掲げる。しかし、京都府側も「観光立国の実現に向け、国際社会で期待される役割を果たしたい」と、一歩も引かない姿勢だ。
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