子供だけでなく母親にも「テレビ離れ」が
今調査は2013年3月3日から4日に渡って、首都圏に居住する0歳4か月以上就学(小学校入学)前の幼児を対象としたもの。調査票配布回収法で実施された結果を集計し、その概要が公開されている。記入は乳幼児本人では不可能なことから、その保護者が行っている。有効回答数は985人。もっとも今回はその乳幼児を持つ母親に関する事項である。
今調査対象母集団の乳幼児を持つ母親に、月曜のテレビ視聴時間を尋ねた結果が次のグラフ。同じような条件で10年前に行われた調査結果を併記しておく。なお設問票では「保護者のテレビ・ビデオ視聴」内で「母テレビ」とのみあり、対象の具体的メディア指定は無い。常識的に考えてスマートフォンなどによるワンセグ視聴もまた、テレビ視聴と判断する。
↑ 母親のテレビ視聴時間(月曜)(分)
若年世代ほどテレビ視聴時間は長く、歳を経るに連れて短くなっていく。テレビ視聴周りの動向とはやや異なる結果が出ている。もっとも今件が乳幼児を持つ母親が対象となっていることから、テレビ視聴時間が長くなる50代以上はほとんど居ないであろうこと、母親の歳が上になるほど子供が成長して兼業主婦化する事例が増え、テレビを観る物理的時間が減らされていくことを考えれば、道理は通る。実際、専業主婦よりもパート・アルバイト勤務、そしてフルタイムの方がテレビ視聴時間は短い。
一方、経年変化を見ると、この10年でどの属性でも視聴時間は減少している。
↑ 母親のテレビ視聴時間(月曜)(分)(2003年から2013年への変移)
特に世代別では35-39歳の層の減少が著しい。【幼児を持つ母親の兼業率4割、10年で保育園預かり率は増加へ】で解説した通り、パート・アルバイトに勤しむ母親が増え、しかも長時間化しているのが一因と考えられる。しかしそれでは「専業主婦」の時間の大幅減少の説明が付かない。
仕事以外でテレビを観る時間が減った原因を考えると、テレビ視聴以外の行動に時間を取られ、優先順位が下げられた可能性がある。パソコンやスマートフォン経由によるインターネットアクセスが、恐らくはそれに該当するのだろう。
家事を終えて一息ついた時間などで、昔はテレビを観ながらお茶をたしなみつつ疲れをいやすのが、ありがちな様式としてイメージされていた。しかし今では、その時間の費やし方の一部がネットアクセスに代わりつつある。そう考えるのが自然な感はある。
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