みのひだフォーカス:公然わいせつや声かけ急増 不審者から身を守れ /岐阜
毎日新聞 2013年10月27日 地方版
◇狙われやすい歩きスマホ、イヤホン
見知らぬ男が下半身を露出するなどの公然わいせつや声をかける「声かけ事案」、盗撮など、若い女性や女子生徒を狙った事件が急増している。被害者の中にはスマートフォン(多機能携帯電話)の操作に集中するあまり周囲の状況に気付かず被害に遭ったケースもあり、県警では犯人検挙に全力を挙げるとともに、被害に遭わないための“自衛”も呼び掛けている。【道永竜命】
県警によると、公然わいせつの認知件数は今年9月末で95件。昨年同期に比べ25件多く、昨年1年間の認知件数98件に迫っている。声かけ事案は8月までで123件に上り、過去5年間で最も多かった昨年と同件数を認知している。県警は「届け出ているのは氷山の一角」とみている。
無理やり体を触るなどの強制わいせつ事件は35件と前年同期に比べ19件減少しているものの、前兆とされる事案の増加に県警は警戒を強めている。
今月に入ってからも、郡上市で帰宅途中の女子高校生が「アンケートに答えてほしい」などと声をかけてきた男に体を触られた事案や、中津川市で女子中学生が車に乗った男に「ホー、ホー」と奇声を発せられた事案があった。県警は「安全・安心メール」を活用するなどして注意を呼び掛け、被害に遭わないよう自衛を求める。
「犯人は同じ場所で同じ手口で隙(すき)を狙っています」
今月22日、岐南町の岐阜女子高校で行われた防犯教室で、県警鉄道警察隊の警察官が注意を呼び掛けた。同校の生徒約340人のうち、6割が列車を使って通学し、例年数人が痴漢などの被害に遭っている。同校では10年ほど前から防犯教室を開き、被害の予防教育に力を注いでいる。森島優教頭は「知識をつけることや訓練で予防につながれば」と話す。この日の防犯教室では警察官による講話や寸劇のほか護身術の実践訓練が行われ、生徒らは互いに不審者からどう身を守るかを考えながら実技に臨んだ。