坂本龍一さんと秘密の宴
テーマ:原発がない社会へ坂本龍一さんが、日本に来た。
Shing02や坂本さんの尽力で、先月、
ポップな英語ウェブサイト「Stop Rokkasho」が立ち上がった。
坂本さんからそのニュースを聞いた辻信一さんは、
学生やデザイナー、アーティスト、NGOのメンバー、
ジャンルを超えた人々で坂本さんのサイト立ち上げの想いに耳を傾けて
みんなで連動してこのムーブメントを盛り上げようと
秘密の集まりを企画した。
100人集めて坂本さんの話を聞いて、
100人それぞれのインスピレーションになればいいとしてはじまった企画。
静かに波紋を広げ、口コミで広がった。
6月4日、日曜日。
明治学院大学の戸塚キャンパスの教室に、260人が集まった。
260人の中には、JFSの枝広淳子さん、未来バンクの田中優さん、
大地を守る会の藤田さん、沖縄のラッパー・カクマクシャカ、Luna SeaのSUGIZOさんと
構成作家の谷崎テトラさん、サステナのマエキタミヤコさん、作家の中島修一さん、
発明家の藤村さん、ウィンドファームの中村隆市さん、サヨコオトナラのOTOさん・・・
それにたくさんの学生やアーティストとデザイナー、NGOスタッフ。
明学の小さな711教室に数えきれないくらいの豪華なオーディエンスを迎え、
「今日は、坂本さんの Stop Rokkasho の想いを聞く、パーティーです」
辻信一さんの開宴宣言で、話がはじまった。
坂本さんは、気持ちのいい具合に肩の力が抜けた人だ。
無添加・天然酵母のパン屋さん「リトル・トゥリー」で生まれた
大きなジュゴンパンを両手に抱えてステージに登場し、
好きな音楽の話をするのと同じ空気感をもって、
あたりまえのように原発の話をはじめた。
「できれば原発のことになんか関わりたくなかったよ。
でも、知ってしまったからにはやるしかないでしょう。
六ヶ所の再処理施設が本格稼動をはじめたら
1日で普通の原発1年分の放射能が出るっていうんだから、
これはヤバイと思ったよ」
でも、日本で浜岡原発や六ヶ所の再処理施設の危険性を知る人は本当に少ない。
無関心と情報不足という高い壁を越えてそういうことを取り上げるのだから、
サイトの見た目はポップに、危険性を伝える方法も「説教」ではなく「アート」で。
「とくに自分は音楽をやる人間ですから、まあ音楽を使おうと思いました。
といっても、僕は音痴ですから自分で歌うわけではなく、
Shing02やほかのアーティストと一緒に曲を作りました。
歌がうまかったら、きっとそのままギターでも抱えて、
"原発反対~"なんてやってたかもしれない。
でも、それじゃちょっと違うでしょ。 ははは。」
坂本さんは、あくまでも「はずす」のが上手な人。
社会のおもしろくないところを、おもしろくないままにはしておかず、
うまーく、巧妙に、かっこよく楽しい仕組みを作り出していく。
みんなはそのテクニックに魅了されながら、
自分も連なることができそうな、これからはじまるムーブメントの予感に
わくわくしはじめる。
知的財産の保護を図りつつ、積極的な著作物の流通を促進する
「クリエイティブ・コモンズ(CC)」。直訳すると、「創造の共有地」。
今、日本を含む29カ国で各国法に準拠してローカライズ化されている仕組みが、
Stop Rokkashoにも使われている。
(※「クリエイティブ・コモンズとは」
http://neom.cocolog-nifty.com/creativecommons/what.html )
坂本さんやShing02が、クリエイティブコモンズで六ヶ所の曲を作る。
ほかのアーティストがその曲をサンプリングし、新しい作品を作ってまたサイトにのせる。
ミュージシャンも画家も写真家も、次々とStop Rokkashoに自分の作品を提供する。
どのアートも「創造の共有地」の中で広がっていく。
(※「坂本龍一のポッドキャスト、世界に向け配信」
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0605/22/news040.html )
住みたい社会をつくりたい、気持ちのいい世界を守りたいという気持ちを介して
新しい表現が生まれていく。新しい表現が人をつなげていく。
なんだか、大きな希望を感じてしまった。
もしかして、本当に、エコシフトできるのかも。 日本も、世界も。
「教育基本法の改正がありましたよね。
子どもに本当の"愛国心"を教えようっていうなら、まあ結構だと思いますよ。
おかしいのは、愛国心と言う人たちが日本の土地と海を汚そうとしていること。
本当に郷土を愛すなら、まず大切な自然を守れと。
日本には、本当の保守派、本当の右翼がいないんじゃない?
おーい右翼、いるなら出てこーい。 ははは。」
Stop Rokkashoの立ち上げには間違いなくアツイ想いがあるはずなのに
坂本さんは決して肩肘をはらず、少しはずした感じ。
その感じが人を安心させて惹きつけるのかも。
「Stop Rokkashoのウェブサイトができたのが最近ですから、
再処理施設の試運転がはじまって、なにをいまさらと言う声もあります。
六ヶ所の人はとくにそう思ってるでしょうね。
でも、試運転の間にも核廃棄物は生まれ続けている。
はじめものすごく頑張っていたグリーンピースなんかは、稼動しはじめてから
もうダメだというような感じになっちゃってますが、そうじゃない。
あきらめないで、すぐにでも止めないと」
うん。できるような気がしてきた。
三陸のお魚をいつまでもおいしく食べられるように、
お米どころとしての東北の輝きが失われないように、
青い海をきれいなまま次の世代に手渡されるように、
あたりまえに大切なことを、あたりまえに大切だと言えるかっこいい仲間とつながるのを楽しむために、
できることをやろうと思った。
今週9日金曜日、
今度は秘密の宴ではなく、オープンに人を集めて話し合える場を用意した。
コメディーやる人も、音楽やる人も、環境の専門家も、学生も、お百姓さんも、
メディアも、それにNGOスタッフも。 面白い人がたくさん来る。
会場が人であふれるくらいのエネルギーが集まったらいい。
誰でも参加OKだし、参加費も無料だし。
みなさん、是非きてください。
--------(以下、転送歓迎)--------
■■
■■「脱原発カフェ ストップロッカショ」■■
http://stop-rokkasho.org/
■■
6月9日(金)
at 明治学院大学白金キャンパス・アートホール
音楽家・坂本龍一さんが、六ヶ所再処理工場の危険性を
世界に知らせるため「STOPROKKASHO」 (http://stop-rokkasho.org/
)
というサイトを立ち上げました。
坂本さんのイニシアチブに応えようと、大学生や市民、
NGOのメンバーが動きはじめました。
6月4日サイト立ち上げを記念して開催された
坂本龍一さんを囲む会(STOP ROKKASHOナイト=締切済)に続き、
6月9日に市民イベント「脱原発カフェ」を 企画しました。
あなたもこのムーブメントに連なりませんか?
特に、若いみなさん(未来世代のお父さん・お母さん)の参加を歓迎します。
一緒に学び、行動しましょう。
ゲスト:
田中優(未来バンク代表)、
古長谷稔(『放射能で首都圏消滅』著者)、
もりばやしみほ(hi-posi)、
Oto(サヨコオトナラ)、
中村隆市(スロービジネススクール校長)、
藤村靖之(非電化工房主宰)、
SUGIZO+TETRA、
大林ミカ(環境エネルギー政策研究所)、
星川淳(グリーンピース・ジャパン事務局長/作家・翻訳家)、
藤田和芳(大地を守る会会長)、
桑原茂一(clubking)ほか (※5.31現在)
司会:
辻信一(ナマケモノ倶楽部世話人)
小野寺愛(ピースボート)
<< メッセージ from 坂本龍一 >>
これは、青森県六ヶ所村にある核燃料再処理工場の危険性を、
インターネットと音楽やアートで世界に知らしめるための活動です。
僕自身も勉強しながらですが、まずは問題を知ってもらう事、
そのために出来る事を始めました。
日時:2006年6月9日(金)18:30開場、19:00-21:00
会場:明治学院大学白金キャンパス・アートホール
http://www.meijigakuin.ac.jp/access/shirokane/#E
(交通:JR・京急 品川駅よりバス10分)
主催:ストップロッカショ・ジャパン
問合窓口:ナマケモノ倶楽部 http://www.sloth.gr.jp
〒136-0072東京都江東区大島6-15-2-912
tel/fax 03-3638-0534 info@sloth.gr.jp
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1 ■うおーやばすぎる
だいたい来ると、うおーしか言わないヤツです。
Stop Rokkashoのサイト、すでに目をつけてましたよ。shing02大好きなもんで。
Operation Peace Craneのこともスゲエ気になってるし。
すごい、やっぱ愛さんすごい。
今週、ちょっと東京いくつもりなんで9日のマジで参加してみたいんですけど。