規制委:柏崎刈羽の安全審査、当面凍結…東電社長と面談
毎日新聞 2013年10月28日 11時38分(最終更新 10月28日 12時57分)
原子力規制委員会の田中俊一委員長は28日、東京電力の広瀬直己社長と初めて面談し、汚染水漏れが続く福島第1原発の現状や、現場の意識改革の方針を聞いた。規制委は東電が再稼働に向けて申請した柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)の安全審査を当面凍結し、東電が面談で示した汚染水対策を徹底できるか見極めたうえで、開始時期を検討する方針を明らかにした。
規制委は昨年9月の発足以降、組織の独立性を守るため電力会社幹部との個別面会を避けてきたが、汚染水問題が深刻なため、異例の対応となった。面談は、冒頭以外は非公開で行われた。
広瀬社長は面談後、「福島第1の問題を率直に話した。安全審査の話はしていない」と報道陣に説明。規制委事務局の原子力規制庁によると、東電は汚染水対応にあたる作業員の確保が難しく、不慣れな作業が増えていると報告、火力発電所や水力発電所の人員も投入し、福島第1の態勢を強化していると説明した。これに対し、田中委員長は「長期的な視点で、ドラスティック(抜本的)な改革をしてほしい」と求めた。
安全審査については、面談に同席した池田克彦・規制庁長官が「東電が現状をどう改善するか、実績を見てから考えていきたい」と述べ、当面凍結する方針を示した。東電の対策や安全管理が徹底されるか見極めたうえで、開始時期を検討する。
東電は9月27日、柏崎刈羽6、7号機の安全審査の申請書を提出したが、福島第1原発で作業ミスによる汚染水漏れが頻発。東電は今月15日、「柏崎刈羽と福島第1の作業の両立は可能」とする報告書を規制委に提出していた。【岡田英、浜中慎哉】