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東電賠償方針、漁業者ら大枠了承
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東電関係者(左側)も出席して開かれた、原発事故に伴う本県水産物の風評被害説明会 |
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東京電力福島第1原発事故による県産水産物の風評被害の損害賠償について、東電は18日、県内漁業関係者に対象魚種をマダラやスケソウダラなどとする交渉基本案を提示し、漁業者側が大枠で了承した。青森市の県水産ビルで県漁連が開いた説明会で、東電が対象魚種や期間、賠償額の算定方法を説明した。県漁連は11月、賠償請求を行う漁協向けの説明会を開く。
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水産物の風評被害をめぐる漁業者説明会は、今回が初めて。47漁協と県、東電関係者ら約110人が出席した。
冒頭の角田順一県漁連副会長のあいさつ後は非公開で協議。県漁連や東電の担当者によると、東電の基本案は、対象期間を近隣県の風評被害の賠償事例などを参考に2012年1月以降とした。対象魚種は販売価格が下落したマダラやスケソウダラ、ヒラメなどを検討。賠償額の算出は、06〜10年の各年の平均単価のうち最高値と最安値を除く中間3カ年の平均価格を試算基準に想定している。
漁業者側から「手続きを早くしてほしい」「漏えいが続いている汚染水の現状は」などの意見や質問があったが、賠償方針について大きな異論は出なかったという。
ただ、会合後の取材では、八戸機船漁協の川村嘉朗組合長は「マダラの出荷停止期間中、東電に協力するつもりでマダラを漁獲しないよう指導してきたが(現在の交渉では)売れないマダラを捕った方が補償される仕組みになっている。漁獲しないで収入が減った漁業者に補償がなく、このまま泣き寝入りするしかないのか」と憤った。他の漁協関係者は「ようやく(賠償手続きが)動きだしたが、まだ東電の考え方が示されただけ。これから具体的に詰めていかないと」と話した。
東電東北補償相談センター(仙台市)の小河原克実所長は「各漁協の要望など細かい部分を県漁連と話し合い、できるだけ早く支払いにつなげたい」と述べた。
また、一部漁業者が「県漁連の対応が鈍い」などとして、東電と個別交渉を進める動きが出ていたことについて、熊木正徳県漁連指導部長は「今年3月まで、実害の賠償交渉に優先して取り組んできた。その後、風評被害の手続きに入り、単価が下がった魚種のデータを東電に提供するなどして協議してきた結果、東電の基本方針が今の時点で出てきた」と説明した。
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