もし、スギちゃんのように仕事中に大ケガをしてしまったら、あなたはどうしますか? 「スギちゃんも忘れずに!知っておきたい休職時の制度」では、長期休職となってしまった際の対策を紹介しました。そのほかにも、病院での治療費や休んだ日のお給料など、心配なことがたくさんあると思います。今回は、そんなあなたへの強いお守り”労災保険”についてご紹介します。
■1:病院にかかるときには「“仕事中“”通勤中“に怪我しました。」と宣言すべし
労災保険とは、業務上の事由又は通勤による労働者の負傷・疾病・障害又は死亡に対して労働者やその遺族のために、必要な保険給付を行う制度です。通常、病院にかかるときは医療費の3割を自分で負担しますが、業務中のケガなどで治療を受けた場合は、医療費を労災保険が全額カバーしてくれます(通勤災害の場合は、自己負担額200円あり)。
「私はパートだから対象外じゃない?」と思う人もいるかもしれませんが、ご安心ください。自営業の人以外は、すべて労災保険の対象となります。例えば、書類を別の部署に届ける際に階段から足を踏み外して骨折してしまった……というようなケースも労災になるのです。
不幸にして病院にかかることになってしまった場合、忘れないでほしいのが、「“業務中”または“通勤中”にケガをしました。」と受付で話すこと。これを言っておかないと、健康保険の適用になってしまうので、必ず”宣言”しましょう!
■2:万一に備えて、職場や通勤途中の“労災指定医療機関”を調べておくべし
“労災指定医療機関”とは、各都道府県の労働局から、労災でのケガなどの治療は“給付金”で対応することや、アフターケアをきちんと行う場所として指定された病院や診療所などのことをいいます。このため、”労災指定医療機関”にて、労災対象となるケガなどの治療を受けた場合、窓口で医療費を支払う必要がありません。
もし、労災指定医療機関以外で診察を受けると、労災の場合は健康保険が使えません。いったん全額立替払いをしてから還付してもらう手続きをとる必要があります。ですから、時間のあるときに職場近くや通勤途中にある、労災指定医療機関をあらかじめ調べておき、万一の時はその病院に行こう!と心づもりをしておきましょう。各都道府県の労働局のホームページ内で、“労災指定医療機関”と検索すると調べることができます。
自分だけは大丈夫!と思っていても、万が一ということもあります。備えあれば、憂いなし。イザという時のために、心に留めておいて損はありません。ぜひこの”労災保険”、覚えておいてくださいね。
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