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「日本の集団的自衛権行使、韓国の同意なしに認めない」

韓国が米国に表明

 今月23日から26日にかけ、ワシントンを訪問した韓国大統領府(青瓦台)の金章洙(キム・ジャンス)国家安保室長は、ホワイトハウスのライス国家安全保障問題担当大統領補佐官と会い、日本による集団的自衛権の行使を認める方向で「米日防衛協力のための指針」が改定されることになった点に関連し、韓国政府が「韓半島(朝鮮半島)での主権行使に関する部分については、韓国の意見が反映されるべきだ」との立場を米政府に伝えていたことが27日までに分かった。韓国政府の同意なしに、日本の自衛隊がいかなる場合でも韓国の領土、領海に立ち入ることを認めないことを明確にした格好だ。

 韓国政府高官が25日、米国駐在の特派員との記者懇談会で明らかにしたもので、韓国大統領府高官が日本の集団的自衛権の行使に対する韓国の立場をホワイトハウスに公式に表明したのは初めてとなる。 

 同高官は「集団的自衛権は国連憲章に盛り込まれている普通の国が権利であり、行使の是非は日本国民が選択すべきことだが、それが拡大解釈され、韓半島と韓国の主権が関わるのであれば、米日防衛協力のための指針の改定時に韓国の同意が必要だ」と述べた。その上で、「日本の集団的自衛権行使は周辺国の意見に配慮し、節制された軍事力でなければならず、これについてはかなり透明な日本の防衛政策が示されるべきだとする話を(米国側と)交わした」と説明。「日本の急激な軍事力強化は周辺国の懸念を引き起こしている」と指摘した。

 韓国外交部(省に相当)関係者は「これまで在韓米国大使館や在米韓国大使館を通じ、日本の集団的自衛権行使についての懸念を水面下で伝えたことがあるが、韓国大統領府が米国に直接立場を表明した点に意味がある」と語った。

 集団的自衛権は、同盟国が攻撃を受けた際、自国が攻撃を受けたと見なして反撃する権利を指す。日本の安倍晋三内閣は、平和憲法の解釈を変え、集団的自衛権を行使する方針を定め、米国も最近歓迎意向を示した。それに関連し、米日は近く、米日防衛協力のための指針の改定作業に着手し、来年末までに作業を終える方針とされる。

 韓国では日本が韓半島有事に際し、「在韓米軍が北朝鮮の攻撃を受けたため、集団的自衛権の行使が必要だ」との口実を盾に、韓半島に自衛隊を派遣するのではなかとの懸念が浮上していた。

 韓国外交部関係者は「在韓米軍が北朝鮮の長射程砲やミサイルによる攻撃を受けた場合、日本が集団的自衛権に基づき、米国を支援するという名分で北朝鮮を攻撃したり、韓半島の領海と領土周辺で軍事作戦を展開する可能性を排除できない」とした上で、「米日防衛協力のための指針の改定過程で、韓国政府の要請がなければ、日本が絶対に介入しないという点を明確にすべきだ」と指摘した。別の外交当局者も「米国と日本が協議を通じ、日本の自衛隊がどんな口実であれ、韓半島に入ってこないようにすべきだ」と述べた。

 米国は今回の論議で、韓国政府の要求に「理解する」との立場を示したとされる。日本の集団的自衛権の行使が韓国の国益を害する方向に向かわないよう配慮する意思を間接的に示したと解釈できる。

 韓国大統領府高官は「米国のアジア防衛政策の二つの軸は韓国と日本だが、米国が韓国の安全保障利益に反してまで、米日防衛協力のための指針を日本に有利な形で改定することはないはずだ。韓国の要求を反映すると考えている」と述べた。

ペ・ソンギュ記者
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