第23回　ウォーキングパラダイス計画（１）

　母のように歩けなくなって亡くなる人を減らしたい、そんな思いからデュークズウォークはスタートしました。そして、デュークズウォークは今も進化しています。
　その一つが、「ウォーキングパラダイス計画」です。
　ドームで覆われた緑あふれる空間に歩くためのコースがあって、そこでは、おじいちゃんもおばあちゃんも子どもたちも、好きなときに遊びに来て、デュークズウォークのスタイリストから歩き方を無料で教わって、元気になって帰る。あらゆる都市に、そんな場所を作るのが「ウォーキングパラダイス計画」です。楽しく歩くための環境を作り出したいと思っています。

　そのきっかけとして、去年は銀座の百貨店、松屋さんの屋上でウォーキングパラダイスを開催しました。今年はちょっとかたちを変えて、10月８日（木）奈良の世界遺産薬師寺で「ウォーキング奉納」というのをやります。
　大講堂前に舞台を作って1000人の参加者のみなさんと一緒に歩いて、世界平和や「日本がもっと元気になりますように」という祈りを込めて奉納をするものです。「体と心と魂を一直線に結び、天地風水火からエナジーを得て、生命のパワーを美しく、気を歩き清め高める、すなわち祈り（意乗り）なり」そう言葉にして祈りを捧げ歩きます。
　ここ数年、そういう色々な場所や機会をいただいて、みなさんの日常にウォーキングを近づけることができるようになったと思っています。

　歩くことが「健康にいい」、最後まで自立しているためには「歩かなくてはいけない」ということが、最近、やっと理解されはじめてきたなと僕は感じています。
　でも、何回も言っているように、それはわざわざ万歩計を買って１万歩も歩くことではないんです。たった300歩、しかも気分のいいときだけ歩いてもらえたら良いんです。残りは惰性で歩いてもらって十分です。これは、僕がずっと言い続けていることですが、意外とまだ知ってもらえていない。自分で言うのもなんですが、結構僕のことは日本全国の人が知っていると思うんです（笑）。でも実際に僕がやっているデュークズウォークの中身が何たるかはまだ知られていない。本当のデュークズウォークをこれからみなさんに広めていくことも僕がやっていかないといけないですね。天命だと思っています。

　今年から、ロンドンでもレッスンをしています。今年中にドイツへも行きます。もちろん、モナコでもレッスンをしています。来年、再来年はアメリカでドカンと広めようと思っています。その後、日本にもう一度戻ってきたら、その時は、もうウォーキングパラダイスが現実的なものになっていると思いますよ。そして50年後には、歴史上の人物として教科書に僕が載っているくらいになりたいと思っています。夢は大きいです。


　最終回へ続く