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【プロ野球】

田中が完投、1勝1敗

2013年10月28日 紙面から

◇日本シリーズ<第2戦> 楽天2−1巨人

6回表2死満塁、ロペスを空振り三振に仕留め、ほえる田中=Kスタ宮城

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 楽天の田中が毎回の12三振を奪い、1失点で完投した。立ち上がりから力のこもった投球で、6回2死満塁ではロペスを空振り三振に仕留めるなど、要所ではさらに力が入った。打線は6回に銀次の中前打で先制し、7回は藤田の適時内野安打で加点した。巨人は好投の菅野を援護できなかった。8回に寺内のソロで1点だけ。散発の3安打だった。

 無敗の神腕が白星をもぎ取った。Kスタにイヌワシ党の歓喜が響く。田中が右コブシを突き出した。1失点完投。三振は12個奪った。2桁はシリーズ史上20度目、毎回は3度目。日本一を決める頂上決戦で球団初勝利を挙げたのは、やはり絶対エースだった。

 まさに仁王立ちだ。大黒柱が重量打線を力で抑え込んだ。6回2死満塁ではロペスをこの日最速の152キロ内角直球で空振り三振。最後は小学校時代にチームメートだったライバル坂本を141キロのスプリットで空振り三振に仕留めた。

 前日樹立した記録を塗り替える、Kスタ史上最多の2万5219人。その観客席でシーズン中と同じように両親、里田まい夫人が声をからす。万雷の拍手に迎えられたお立ち台。昨年8月からの連勝を30の大台に乗せた男は「完封したかったです」と口をとがらせた。

 勝つだけでは満足しない。その貪欲な姿勢に場内は沸いた。しかし、田中の顔色はまったく変わらなかった。リードが2点に開いた直後の8回。「気を抜いたわけではない。ただ単に失投」という寺内に浴びた一発を許せなかった。

 CSファイナルステージ突破を決めた21日に1イニングの救援登板。日本シリーズ初戦での先発が想定された起用だったが、田中は中4日での登板に難色を示した。開幕投手をルーキーの則本に任せることになり、結果として落とした。

 中5日の調整期間をもらったエースとしては、何としても結果を残さないといけない第2戦の先発だった。試合後、そのことを取材陣から指摘され、「初戦を投げないことで、いろんなとこで、いろんな人が言っていたので、黙らせないとなって思っていた。ま、どうでもいいですけど」とまくし立てた。

 周囲の雑音をエネルギーに変え「一番強いことは間違いない」と警戒していた巨人打線に立ち向かっていた。ただ、マウンドでは冷静な投球が光った。積極的に振ってくる相手に対し、多彩な球種でストライクを先行させ、勝負どころでのギアチェンジもシーズンと変わらなかった。

 絶対に負けられない試合を支配し、シリーズの流れを押し戻した。久米島での春季キャンプ。朝の声出しで「ことしの主役は俺たち楽天だ!」と宣言した。約8カ月後、絶対エースは有言実行の快投。東北初開催の日本シリーズで歴史的勝利を挙げた。イヌワシ軍団は、勇躍、東京ドームに乗り込む。 (井上学)

 

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