こんな話題を見つけました。就活生が落ちた理由を企業に聞くのは、善いのか悪いのか。
就活生が不満「お祈りメール」 学生に「不採用の理由」を聞く権利はないのか?
「不採用の理由」を伝えるのは企業の社会的責任です
弁護士ドットコムによれば、「法的には、そんな権利は認められていない」とのこと。まぁ、そうでしょうね。
企業には、どういう理由で採用しなかったのかという『不採用理由』について開示する義務もありませんし、就活生には不採用の理由を聞く権利もありません。
一方で、ライフリンクが調査したところによれば、理由も知らされず落とす「不採用通知」にショックを受ける学生も多いそうで。
就活で不満が多いのが企業の不採用通知。文面に「今後のご健闘を心よりお祈りします」と判で押したように記され、学生の間で「お祈りメール」と呼ばれる。「選考結果に関する問い合わせには一切お答えできません」と付記されている例も多く、「理由も知らされずに不採用を通告され、ショックを受けたという学生は多い」(ライフリンク)。
ぼくも60社くらい選考受けたので、これはよく分かりますね…。お祈り続きだと、自分の存在意義を否定されたような気分になります。
ぼく個人の意見としては「基本的に、企業は不採用の理由を伝えるべき」だと考えます。それは企業の社会的責任です。
人間の気持ちを尊重する
調査でも明らかになっている通り、理由が伝えられないというのは、そもそも「ショッキング」です。不採用には理由があるわけですから「なぜ?」と知りたくなるのは人情でしょう。何社落ちてもわからないままというのは、感情的な理不尽さを抱えることになります。
関わってくれた志望者の気持ちを、「会社というのは『そういうもの』だから」という理由で排除するのは、人間として未熟な態度です。ブラック企業問題に見るように、「会社というのは『そういうもの』だから」、人間の気持ちを尊重することを忘れた組織は危険です。
志望者のためになる
また、「不採用の理由を伝えること」は、何よりその志望者のためにもなります。彼に不適格な点があれば、それをロジカルにアドバイスしてあげましょう。そうすれば、彼は自分に足りないものに気づくことができ、どういった会社なら合っているかも、おぼろげにわかるはずです。
明確に理由が語れないのなら、「ちょっとうまく説明できないんですが、あなたとうちの企業文化はフィーリングが合わないので、今回は申し訳ないですが、ご縁がなかったことにさせてください」と言えばいいんです。真摯に伝えれば、企業への就職の際には「そういうこともある」ということを、彼は理解してくれるでしょう。
もちろん、「基本的に、企業は不採用の理由を伝えるべき」とある通り、例外もあると思います。「理由を聞きたくない」人もいるでしょうし、不採用の理由を告げることで、相手の精神状態に明らかな悪影響を与えてしまうこともあるはずです。そういう場合は、理由をあえて伝えなかったり、理由を曲げて伝えることもあってしかるべきです。そこら辺は、大人がしっかり判断しないとダメですね。
「企業にはそんな責任はない!」
…ということを書いても、「企業にはそんな責任はない!」と一蹴する無思考な人が大半なのでしょう。
が、そう考える人は、ようするに「面倒だから」自分がそのような立場を取っていることに自覚的であるべきです。「面倒だからやらない」というのは、他者に責任を押しつける「甘えた態度」です。
そして、「面倒だから」という理由で、人間を尊重することを忘れるという態度は、あなた自身をも傷付けます。そういうあなたの周りには、同じように「面倒だから」あなたのことを尊重しない人が溢れる、と不幸な予言をしておきましょう。
さらにいえば、そういう社会は責任を押しつけあう、互いに無関心で攻撃的な社会になるだろう、とも付け加えておきます。
小さな関係性のなかだったら?
それでも「企業にはそんな責任はない!」と考える人はぜひ、自分が小さな会社をやっていると想像してみてください。
嬉しいことに、あなたの会社への入社を志望する人が面接に訪れました。なかなか良さそうな人材でしたが、会社に十分な余裕がないため、今のところは「ご縁がなかった」として断るのが最善の選択肢のように思えます。
さて、そんな場合、あなたは彼に「不採用の理由」を伝えますか、伝えませんか。
ぼくは、多くの人が、そういう「小さな関係性」のなかでなら、自然に「申し訳ない、せっかく来てくれたんだが、うちの会社はまだあなたを育成をする余裕がないんだ。今回は縁がなかったことにさせてくれ…」と伝えることになるでしょう。
そんなことは、社会人として「当たり前」ですよね。「今後のご活躍をお祈りします」とだけ伝えるなんて、まさに「礼儀がなっていない」。
が、これが大きな組織のなかに組み込まれ、関係性が変質してしまうと、いつの間にか「企業にはそんな責任はない!」という話がまかり通ってしまいます。「不採用理由を伝えて何かあったら、一体どうするんだ」というリスクが、正常な価値判断を狂わせます。
ぼくは、そんな態度はおかしいと思いますけどね。そんな二面的な態度は何より不快で耐えられません。
さて、あなたは「企業は不採用の理由を伝えるべきだ」と考えますか?または「企業にはそんな責任はない!」と考えますか?具体的に実践するにあたり、どのようなトラブルが考えられ、どのようにリスクを回避することができると考えますか?
ぜひコメント欄で教えてください。ブロガーの方は、ブログ記事を起こしていただけると嬉しいです。