中日スポーツ、東京中日スポーツのニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 中日スポーツ > グランパス > グラニュース一覧 > 10月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【グラニュース】


闘莉王、復活2発

2013年10月28日 紙面から

名古屋−大宮 試合後、大宮に勝利し喜びを爆発させる名古屋・闘莉王=豊田スタジアムで(今泉慶太撮影)

写真

 名古屋グランパスは田中マルクス闘莉王(32)の2得点で大宮に逆転勝ち。7試合ぶりの白星で、勝ち点を40に伸ばした。横浜Mは中村のゴールを守って大分を1−0で下し、勝ち点59で前節からの首位を守った。浦和は柏に2−1で勝ち、3連勝の同57で2位をキープした。17位磐田は清水に0−1で敗れたが、15位甲府がFC東京と引き分けたため、今節での降格を免れた。

◆名古屋2−1大宮

 飛び込まんばかりの勢いで走り寄ったサポーター席に、闘将の咆哮(ほうこう)がとどろいた。後半41分、DF田中隼のクロスをケネディが頭で落とし、走り込んだ闘莉王がGKと交錯しながらも左足で決めた。同じ流れで奪った後半22分の同点弾に続く、こん身の決勝弾。後半途中からFWとなった闘莉王が、起死回生の2発で8月28日の大分戦以来約2カ月ぶりの白星をもぎ取った。

 DFとしてJリーグ最強の攻撃力を誇る男が、もがき苦しんでいた。夏場の右足首故障もあり、今季は前節までの23試合でわずか1得点。個人としても結果を残せないだけではない。前々節の湘南戦ではひじを相手の顔に当てて05年以来8年ぶりの退場となるなど、チームの勝利に思うように貢献できないいら立ちもかいま見えた。

 そして、ザックジャパンへの闘莉王待望論も、いつしか消えてしまっていた。日本代表の低迷にもかかわらず悲願のブラジルW杯が遠ざかる現状に、「何かきっかけが欲しいんだよ、自分も」と、うめくように弱音をつぶやいた日もあった。

 そのきっかけを、自らの足でつかみ取った。「立ち止まっていても、空からは何も落ちてこない」と、嘆くよりも動くと決めた。この試合でも自らの得点よりも前半に孤立したケネディのサポートを意識して走り続けた結果、「神様が味方してくれた」と振り返るゴールが生まれた。

 チームは約2カ月ぶりの白星でようやく今季のJ1残留が決定。このふがいないシーズンの残り4試合を、闘莉王は誇りと感謝のための戦いと位置付けた。「正直僕らはJ2には落ちないし、上とも相当離れているし、何も目標がない。こんなクソ状況でも声援を送ってくれるサポーターのために、おとこ気を見せないといけない」。試合後は客席最前列とハイタッチをしながらピッチを一周した。口だけのやる気は必要ない。プロとして、行動と結果で強烈な意思を表し続ける。 (宮崎厚志)

 

この記事を印刷する

PR情報

おすすめサイト

ads by adingo




中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ