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国際
盗聴問題で内憂外患、オバマ政権 欧州では不信拡大 市民数百人抗議デモ
【ワシントン=青木伸行】米国家安全保障局(NSA)が、ドイツのメルケル首相らの通話を盗聴、監視していたとされる問題は、オバマ米政権の外交、安全保障政策に深刻な打撃を与えようとしている。国内では、NSAによる個人情報収集に対する市民の反発が再び喚起され、オバマ政権は「内憂外患」の状況に置かれている。
欧州における対米不信感の広がりは、米政府機関の一部閉鎖のあおりで、オバマ大統領が東南アジア外遊を見送った際に誘発された信頼低下に続くものだ。
このときにオバマ政権に与えた打撃は主に、対中国戦略の観点から強調された。今回、欧州側の反発がさらに拡大すれば、米国が欧州と進めるイランの核開発、シリア、アフガニスタン問題の対応、テロ対策に微妙な影響を与えかねないと懸念されている。
一方、国内では米中央情報局(CIA)の元職員、エドワード・スノーデン容疑者による米機密資料の暴露が、「政府の政策に打撃を与える」(オルブライト元国務長官)と懸念する声が、再び高まっている。
機密情報の暴露がもたらす危険性は「米国が実際に何を、なぜやっているのか」をつまびらかにしてしまい、「米国の敵対国に、自己を正当化する根拠を与える。例えばハッカー攻撃を繰り返す中国がそれだ」と指摘するのは、米ジョージ・ワシントン大学のヘンリー・ファレル准教授だ。
諜報の世界に携る関係者の間には「同盟・友好国は常に友だとは限らず、互いに諜報活動をし合っている。目新しいことではない」との冷めた声がある。
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