Updated: Tokyo  2013/10/28 05:56  |  New York  2013/10/27 16:56  |  London  2013/10/27 20:56
 

10月25日の海外株式・債券・為替・商品市場

Share Google チェック

  (ブルームバーグ):欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次の通り。

◎NY外為:ドルが対ユーロで2年ぶり安値、米経済統計悪化

ニューヨーク外国為替市場ではドルが対ユーロで2年ぶりの安値となった。米消費者マインド指数が1月以来の低水準に落ち込んだことを背景に、金融当局が緩和縮小を先送りするとの見方が強まった。

ドルは円に対して週間ベースで2週連続安。米耐久財受注は変動の大きい輸送用機器を除くベースで減少した。米連邦公開市場委員会(FOMC)は来週に会合を開くが、エコノミストの予想によれば、債券購入の縮小開始は来年3月まで先延ばしにする見通しだ。

ウエストパック銀行の北半球通貨担当チーフストラテジスト、リチャード・フラヌロビッチ氏(ニューヨーク在勤)は電話インタビューで、「緩和縮小は禁句で、恐らく9-12カ月間はその決定が下されることはないだろう」と指摘。「きょう発表された経済指標は私の見解をおおむね補強するものだ」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ドルは対ユーロで前日比ほぼ変わらずの1ユーロ=1.3802ドル。一時は0.2%安の1.3832ドルと、2011年11月以来の安値をつけた。週間では0.8%下落。ドルは対円で0.1%高の1ドル=97円42銭。一時は96円94銭と、9日以来の安値となった。週間では0.3%下落。ユーロは対円で0.2%高の1ユーロ=134円46銭。週間では0.5%上昇。

ユーロは高い

ドイツ銀行のユーロ相場の貿易加重指数によると、ユーロは貿易加重ベースで2011年8月以来の高値となった。

野村ホールディングスの為替調査のマネジングディレクター、イェンス・ノルドビグ氏(ニューヨーク在勤)はユーロの強さについて、「今や欧州中央銀行(ECB)のインフレ見通しに影響を及ぼす可能性があるほど重要で、ECBはこの趣旨でユーロについてコメントする可能性がある」とリポートで指摘。ただ、ECBの行動は「口先だけにとどまり、実際の政策対応は短期的にはありそうにない」としている。

米商品先物取引委員会(CFTC)のデータによると、ヘッジファンドや大口投機家によるユーロのネットロング (買い越し)は1日時点で6万8276枚と、約2年ぶりの高水準となった。前週のネットロングは6万5844枚だった。今回のデータの公表は政府機関の一部閉鎖で遅れていた。

ユーロの対ドルでの上げが急ピッチ過ぎた可能性をテクニカル指標が4日連続で示唆した。対ドルでのユーロの相対力指数(RSI、期間14日)は74と、同指数は下落が近いことを示唆するといわれる70を上回っている。

ブルームバーグが今月17、18両日に実施したエコノミスト調査によると、FOMCは3月18、19両日開催の会合まで債券購入の縮小開始を先送りする見通しだ。

「ドル安を正当化」

10月の米トムソン・ロイター/ミシガン大学消費者マインド指数(確定値)は73.2と、前月の77.5から低下した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値は75だった。速報値は75.2だった。

米商務省が発表した9月の米製造業耐久財受注は、変動の大きい輸送用機器 を除いたベースで0.1%減。前月は0.4%減に下方修正された。耐久財全体の受注は3.7%増加した。

ゲイン・キャピタル・グループのシニア為替ストラテジスト、エリック・ビロリア氏は「経済指標は軟調だった、これはドル安を正当化する」と話した。

原題:Dollar at Almost 2-Year Low as U.S. Confidence Sags: PesoClimbs(抜粋)

◎米国株:S&P500種が最高値更新-アマゾンなどが高い

米株式相場は上昇。アマゾン・ドット・コムやマイクロソフトの売上高が市場予想を上回ったことが手掛かり。また消費者マインド指数が低下したことで、金融当局が刺激策の縮小を遅らせるとの観測が広がった。S&P500種株価指数 は終値ベースでの最高値を更新した。

アマゾンは大幅高。利用者が増えたことで売上高が伸び、純損失は前年同期比で縮小した。マイクロソフトも高い。消費者のパソコン需要の低迷を企業向けソフトウエアの需要で補った。一方で化学メーカーのイーストマン・ケミカルは下落。通期予想の下方修正が嫌気された。

S&P500種 株価指数は前日比7.70ポイント(0.4%)高の1759.77。ダウ工業株30種 平均は61.07ドル(0.4%)上げて15570.28ドル。

フォート・ピット・キャピタル・グループ(ピッツバーグ)のチャーリー・スミス最高投資責任者(CIO)は、「企業決算は十分に良い内容だ。流動性も潤沢で、投資家は金融システムにリスクをほとんど感じていない」と指摘した。

S&P500種は月初から4.7%上昇。週間ベースでは3週連続高となった。

ランド・ポール米上院議員(共和、ケンタッキー)はジャネット・イエレン氏の次期連邦準備制度理事会(FRB)議長就任に向けた指名承認をフィリバスター(議事妨害)により抵抗することを検討している。ポール議員の関係者が明らかにした。これを手掛かりに相場は一時上昇を縮める場面があった。

バリュエーション

予想を上回る決算や金融緩和策の継続で、S&P500種は年初から23%上昇。バリュエーションは4年ぶり高水準にある。ブルームバーグのデータによれば、S&P500種の株価収益率(PER、予想営業利益ベース)は15.9倍。それでも過去2回のピークは下回っている。07年10月には16.5倍、2000年3月には25.7倍に達した。

リッジワース・キャピタル・マネジメントのシニアストラテジスト、アラン・ゲイル氏(アトランタ在勤)は電話取材に対し、「バリュエーションはなお妥当な水準で、経済も改善しつつあるようだ」とした上で、「若干行き過ぎの面は確かにあるようなので、近く多少の後退があっても不思議はない」と加えた。

消費者信頼感は低下

10月の米消費者マインド指数は3カ月連続で低下、1月以来の低水準に落ち込んだ。政府機関の閉鎖措置が解除されたものの、消費者の信頼感向上にはつながらなかった。

10月の米トムソン・ロイター/ミシガン大学消費者マインド指数 (確定値)は73.2と、前月の77.5から低下した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値は75だった。速報値は75.2だった。

S&P500種構成企業のうち、この日は16社が決算を発表。これまで発表を終えた244社のうち、利益がアナリスト予想を上回ったのは76%、売上高が予想を上回ったのは54%となっている。

S&P500種の業種別10指数は全て上昇。特に通信や公益が上げた。

アマゾンは9.4%高の363.39ドルと上場来高値。マイクロソフト は6%上昇し35.73ドルだった。

イーストマン・ケミカルは5.2%安の77.94ドル。同社が示した通期利益予想の下限は1株当たり6.30ドルで、ブルームバーグがまとめたアナリスト予想の同6.47ドルを下回った。

原題:S&P 500 Rises to Record as Amazon, Microsoft Rally AmidFed Bets(抜粋)

◎米国債:週間ベースで続伸、緩和縮小観測が遠のく

25日の米国債市場は週間ベースで続伸。米国の景気回復ペースが遅いため、金融当局は年内に資産購入の縮小を開始できないとの観測が広がった。

10年債 は上昇。9月の米製造業耐久財受注は設備投資の先行指標となる航空機を除く非国防資本財(コア資本財)の受注が市場予想に反し前月比で減少したほか、米消費者マインド指数も10月は3カ月連続で低下した。米国債に対する社債の上乗せ利回りは6月以来の最低に縮小した。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)の金利ストラテジスト、シャイアム・ラジャン氏(ニューヨーク在勤)は「今週は雇用統計と耐久財受注が発表されたが、内容は弱かった」と述べ、「市場参加者は利上げ先送りと利上げサイクルの減速、さらに緩和策縮小の見合わせを織り込んでいる」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間午後5時現在、10年債利回りは前日比1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下し2.51%。同年債(表面利率2.5%、2023年8月償還)価格は3/32上げて99 29/32。

米国債のリターン

ブルームバーグがまとめたデータによると、米国債のリターンは月初から前日までに0.6%。年初からのマイナスは1.85%となっている。ブルームバーグ社債指数によると、今月のリターンは1.4%、年初来の下げは1.06%となっている。ルームバーググローバル先進国ソブリン債指数は月初から1.48%上昇、年初来の下げは1.89%となった。

10年債利回りの相対力指数(RSI 、期間7日)は30、前日は31.48だった。同指数は30を下回るか70を上回ると、方向感の変化を示唆するといわれる。

財務省は来週、960億ドル相当の国債入札を実施する。28日に2年債(320億ドル)、29日に5年債(350億ドル)、30日に7年債(290億ドル)の入札が予定されている。2年債は3カ月連続で規模が縮小された。

ユナイテッド・ネーションズ・フェデラル・クレジット・ユニオン(ニューヨーク)の最高投資責任者(CIO)、クリストファー・サリバン氏は「これまで米国債にあまり投資してこなかった市場参加者や、米国債への投資環境が改善したと確信する市場参加者からの米国債需要があるだろう」と述べた。

緩和策縮小見通し

ブルームバーグ・ニュースがエコノミストを対象にまとめた調査によると、米金融当局は来年3月まで月間850億ドルの資産購入策を維持すると見込まれている。政府機関の閉鎖前は年内の緩和策縮小を見込む見方が過半数を占めていた。次回の米連邦公開市場委員会(FOMC)は10月29-30日に開催される。

ファーマン米大統領経済諮問委員会(CEA)委員長は22日、今月の政府機関の一部閉鎖について、10-12月(第4四半期)の同国の成長率を0.25ポイント押し下げ、10月に12万人の雇用が失われたとの試算を明らかにした。

米労働省が発表した9月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数(事業所調査、季節調整済み)は前月比14万8000人増加した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミストの予想中央値は18万人増だった。

10月の米トムソン・ロイター/ミシガン大学消費者マインド指数(確定値)は73.2と、前月の77.5から低下した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値は75だった。

米商務省の発表によると、9月のコア資本財受注は1.1%減。過去3カ月のうち2カ月で減少した。

メリルリンチ・オプション・ボラティリティ・エスティメート(MOVE )指数は前日に63.14。23日には62.05と、5月21日以来の最低まで下げた。過去10年間の平均値は95となっている。

原題:Treasuries Extend Weekly Gain on Bets Fed Will MaintainStimulus(抜粋)

◎NY金:続伸、1カ月ぶり高値-米緩和長期化の観測で買い

ニューヨーク金先物相場は続伸。1カ月ぶりの高値となった。米金融当局が緩和策を継続するとの観測が背景。この日発表の米製造業耐久財受注はコア資本財が予想外に減少したほか、消費者マインド指数も落ち込んだ。

ヘレウス・プレシャス・メタルズ・マネジメント(ニューヨーク)のバイスプレジデント、デービッド・リー氏は電話インタビューで、「米連邦公開市場委員会(FOMC)は緩和策のペース維持を余儀なくされるとの確信が金を支えており、ドルに下押し圧力をかけている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物12月限は前日比0.2%高の1オンス=1352.50ドルで終了。一時は1356.40ドルと、9月20日以来の高値をつけた。週間では2.9%上げて、2週連続の上昇。

原題:Gold Futures Rise to One-Month High on U.S. StimulusSpeculation(抜粋)

◎NY原油:続伸、耐久財受注の増加で需要拡大を期待

ニューヨーク原油先物相場は続伸。米耐久財受注統計を受けて株価が上昇したことが影響した。アマゾン・ドット・コムなどの好決算も影響し、S&P500種株価指数は過去最高値に接近した。原油先物は週間ベースでは3週連続のマイナス。

プライス・フューチャーズ・グループ(シカゴ)のシニアマーケットアナリスト、フィル・フリン氏は「耐久財受注の増加は今後の石油需要の好調を示唆し、それが相場を支えている」と指摘。「かなり売られ過ぎの状態にあるため上昇局面を迎えるという見方に、強気派は固執している。サプライサイドから見れば需給ファンダメンタルズは日に日に弱気に傾いている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物12月限は前日比74セント(0.76%)高の1バレル=97.85ドルで終了。週間では2.9%の下落。

原題:Crude Rises for Second Day as U.S. Durable Goods OrdersIncrease(抜粋)

◎欧州株:ほぼ変わらず-ケリングとルノー安い、BASF上昇

25日の欧州株式 相場は前日からほぼ変わらず。売上高が予想を下回ったケリングやルノーが下げた一方、BASFが買われた。指標のストックス欧州600指数は週間ベースでは3週続伸となった。

フランスのケリングは3%安。傘下ブランド「グッチ」の売上高が4年ぶりの低い伸びとなったことが売り材料。仏自動車メーカーのルノーは3.2%下落。新興国の通貨安による為替差損で売上高が減少した。一方、ドイツの化学メーカー、BASFは1.3%上昇。同社利益は予想を上回った。

ストックス欧州600指数 は前日比0.1%安の320.09で終了。前週末比では0.5%上げている。

リーガル・アンド・ゼネラル・インベストメント・マネージメントの世界株式ストラテジスト、ラース・クレッケル氏は、「2014年に利益の伸びが加速するとの見通しはまだ確実ではない」とし、「増益率の上昇が次の四半期に先送りされるというのが基本シナリオだとすれば、投資家は多少は待つ気でいるが、実際には利益減少という心配が浮上している」と語った。

ブルームバーグが今月まとめたアナリスト調査によれば、指数構成企業の利益は今年2.4%減少した後、2014年に13%増えると見込まれている。

25日の西欧市場では18カ国中12カ国で主要株価指数が下落した。

原題:Europe Stocks Are Little Changed as Kering, Renault OffsetBASF(抜粋)

◎欧州債:イタリア債が3日続落、独景況感悪化で-英国債上昇

25日の欧州債市場ではイタリア国債が3日続落。ドイツの企業景況感が10月に予想に反して悪化したことを背景に、域内の高利回り資産を求める動きが後退した。

ドイツ国債に対するイタリア10年債の利回り上乗せ幅(スプレッド)は2週間ぶりの幅に拡大。前日発表されたイタリアの消費者信頼感も悪化した。来週は、最大22億5000万ユーロの2年債入札が行われる。スペイン国債は続落。一方、ドイツ国債はほぼ変わらずだった。

コメルツ銀行の金利ストラテジスト、ミヒャエル・ライスター氏(ロンドン在勤)は「ポジティブな経済データが数カ月続いた後で、最新の指標が景気回復ペースの鈍化見通しを示唆したことから、今週に入って楽観はやや後退している」と指摘。「これまで大きく上昇したイタリアとスペイン国債で利益を確定する理由になった」と語った。

ロンドン時間午後4時29分現在、イタリア10年債利回りは前日比6ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の4.22%。17日以来の高水準となる4.24%まで上げる場面もあった。同国債(表面利率4.5%、2024年3月償還)価格はこの日、0.53下げ102.72。ドイツ10年債に対するスプレッドは8bp拡大の246bp。一時は248bpまで広げた。

ドイツのIfo経済研究所が発表した企業景況感指数 は107.4と、9月の107.7を下回った。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト39人の予想中央値は108だった。

ドイツ10年債利回りは2bp低下した後、ほぼ変わらずの1.75%。

英国債相場は週間ベースで3週続伸となった。米消費者マインド指数が低下したことを手掛かりに、英国債に安全を求める動きが強まった。

ロンドン時間午後4時52分現在、英10年債利回り は前日比2bp低下の2.62%。前週末比では10bp下げた。同国債(表面利率2.25%、2023年9月償還)価格はこの日、0.135上げ96.855。

原題:Italian Bonds Decline With Spain’s as German ConfidenceWorsens(抜粋)Gilts Extend Weekly Advance on Bets U.S. Will Maintain Stimulus(抜粋)

記事についての記者への問い合わせ先:ニューヨーク 西前 明子 +1-212-617-2601 anishimae3@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:大久保義人 +81-3-3201-3651 yokubo1@bloomberg.net

更新日時: 2013/10/26 07:01 JST

 
 
 
最新のマーケット情報を携帯でご覧いただけます。ぜひご利用ください。