夏の参院選にて圧勝を収めて以降、その”暴走ぶり”が半端なしの安倍政権が「特定秘密保護法案」「日本版NSC設立法案」に飽き足らず、今国会にて成立させんと目論むトンでもない法案がまだあることを皆さんはご存じであろうか?
それが「現代版・治安維持法」たる「共謀罪」創設法案である。
そんな話は聞いたことがないという方も多いであろうが、それもそのはず、これを報じたのは小生の知る限りでは以下に転載した9/24付けの産経のみだからである。
何故、今回、この「共謀罪」を取りあげたかというと、昨日(10/25)の東京新聞記事の中に以下の表現があるからである。
「漏えいや取得をそそのかし、あおりたて、”共謀”した場合も罰則の対象となる。行政情報を得ようとする市民団体やNPO法人などのメンバーが罪に問われる可能性がある。」
即ち、我々一般市民が情報を得ようとした際、警察等の公権力がその行動を”共謀”と判断すれば、忽ちにしてお縄になるということである。
「いくら何でもそれはちょっと考えすぎではないのか?」
恐らくそのようにお感じの方が多いであろうが、そのセリフは、本エントリー末尾の『盗聴法(組織的犯罪対策法)に反対する市民連絡会』HP上のQ&Aをご覧になってからにしていただきたい。
いかがであろうか?
以下の産経記事ではサラッと「捜査当局の運用次第では『集まった』という理由だけで罪のない一般人まで罪に問われ、人権侵害につながる恐れ」という点にのみ触れられているが、同Q&Aに記載されている内容をみれば、実際に何某かの行為に及ばずとも、何らかの意図で集団行為を頭の中で考えただけでも罪になるというものである。
早い話、ジョージ・オーウェルの小説「1984」の”思想警察”により、一般市民が常時監視されるというディストピアが現実のものとなるということである。
”思想警察”がまだ何の犯罪も犯していない一般市民を常時監視し、「共謀行為」としての”合意”がなされたか否かを監視するため、一般市民の会話や電話・メールの内容そのものが検閲され、その録音やデータが証拠とされるのである。
即ち、「共謀罪」はその取り締まり過程において、「監視社会化」なくしては実現不可能な代物だということである。
個人的には、己の保身と利権しか頭にない低俗な政治家連中など全く信用していないが、そんな連中でさえ、「あまりにも危険」という理由にて、これまでに時の自民党政権が成立させんと何度も企ててきた「共謀罪」だけはその都度阻止してきたという事実を考えれば、如何に危険極まりない法案であるかが窺い知れるであろう。
安倍政権は、愚かにもそのような”天下の悪法”たる「共謀罪」の法案成立を目論んでいるのであり、トンでもない”愚行””蛮行”と断じて然るべきであろう。
その手法は、自作自演により引き起こされたテロにて、一般市民に恐怖心を植え付けることで「テロ憎し」という世論を醸成し、国民の行動を監視する”悪法”を法案化するという、国際金融資本とこれに与する連中の”常套手段”的ものである。
この「共謀罪」などはそのマッチポンプの典型例であるが、銀行の1日当たりの引き出し上限金額の抑制や海外送金の際の身元照会・送金目的の確認等、我々の日常生活にて「対テロ」と謳われて制約が加わっているものは、そのほとんどが国民監視目的であると言ってよいであろう。
「特定秘密保護法案」が成立し、「日本版NSC」が設立され、ここに「共謀罪」が加わることにより、戦時下の特高が如き警察権力が我々国民の行動を常時監視する社会を想像してみて欲しい。
特高警察による”赤狩り”同様の思想弾圧が蔓延り、警察権力ばかりでなく、一般市民どうしが互いを監視し合うというロクでもない「アンチユートピア」(ディストピア)が現実のものとなるのである。
このまま行けば、それはそう遠くない話どころか、もうすぐそこまで迫っている喫緊の話であるということをよくよく理解することが肝要であろう。
(転載開始)
◆秘密保護法案を閣議決定 国民の懸念 置き去り
2013年10月25日 東京新聞 夕刊
特定秘密保護法案に反対し、首相官邸前で抗議活動をする人たち=25日午前8時55分(戸田泰雅撮影)
機密情報を漏らした公務員らに対する罰則を最高で懲役十年に強化することなどを柱とした特定秘密保護法案が二十五日午前、閣議決定された。公務員や記者だけでなく、情報を得ようとする市民も厳罰の対象になりかねず、国民の「知る権利」を侵害する恐れがある。安倍政権は懸念を置き去りにしたまま、国民を政府の情報から遠ざけようとしている。
菅義偉(すがよしひで)官房長官は二十五日の記者会見で、同法案について「秘密保全に関する法制整備は喫緊の課題だ。早期に成立できるよう努力したい」と述べた。
法案によると、(1)防衛(2)外交(3)スパイ活動の防止(4)テロ活動の防止−の四分野のうち「国の安全保障に著しい支障のある情報」を行政機関の長が特定秘密に指定する。
公務員らが漏えいした場合、最高懲役十年の罰則を科す。欺(あざむ)きや脅迫など不正な手段で取得した側も懲役十年。漏えいや取得をそそのかし、あおりたて、共謀した場合も罰則の対象となる。行政情報を得ようとする市民団体やNPO法人などのメンバーが罪に問われる可能性がある。
指定は第三者のチェックを受けないため、政府が恣意(しい)的に不都合な情報を隠す危険性もある。厳罰に萎縮して公務員らが隠す必要のない情報の提供まで拒むことも懸念される。
政府は当初なかった国民の「知る権利」や報道・取材の自由への配慮を盛り込んだが、強制力のない努力規定にとどまり、権利が守られる保証はない。
特定秘密を扱う公務員らには「適性調査」を行い、漏えいの心配がないと評価された者だけが機密情報に接する。その際、政府は公務員らの犯歴、病歴、飲酒、借金、家族の国籍などを調査するため、プライバシー権を侵害するとの指摘もある。
政府は二十五日に審議入りする国家安全保障会議(日本版NSC)設置法案を十一月初めに衆院通過させ、その後、秘密保護法案の本格審議に入り、十二月六日の会期末までにわずか一カ月で成立させたい考え。多数の憲法学者や刑事法学者、弁護士会が「国民主権、基本的人権尊重、平和主義といった憲法の基本原理を脅かす」として反対を表明している。
○市民ら官邸前で抗議
「勇気ある内部告発を封じ込めるものだ」。「特定秘密保護法案」が閣議決定された二十五日朝、危機感を抱いた市民団体のメンバーらが降りしきる雨の中、官邸前で反対を訴えた。
約八十人のメンバーらは歩道の両脇に立ち、黄色いビラや「原発事故もひみつ!」と書いたプラカードを掲げ、知る権利が損なわれる懸念を表明。その間を足早に出勤する省庁関係者らや、国会議員らへ向かって交代でマイクを握り、「国会議員の皆さん、あなたたちにも情報が知らされなくなる」「公務員の良心を殺す法律。一生さいなまれてもいいのか」などと訴えた。
◆暴力団やテロリスト集団の犯罪対策 「共謀罪」創設法案 通常国会に再提出へ政府検討
2013.9.24 01:37 MSN産経ニュース
政府は23日、暴力団やマフィア、テロリスト集団による組織犯罪の未然防止に向けた「共謀罪」を創設するため、組織犯罪処罰法の改正案を来年の通常国会に再提出する検討に入った。国際テロ組織が重大犯罪を実行する前の計画・準備に加担した段階で共謀罪に問えるようにする。国際犯罪を防止するための条約に日本は署名、承認していることや、2020年夏季五輪の東京開催が決定し国際テロ対策の必要性が強まったことなどから、法整備を急ぐことにした。
共謀罪をめぐっては、平成12年の国連総会で、国際テロや麻薬・武器の密輸など国境を越えた犯罪を取り締まることを目指した「国際組織犯罪防止条約」が採択された。ただ日本国内には「組織的な犯罪集団が関与する重大犯罪の共謀行為を処罰する罪がない」(法務省)ため、政府は15年、組織的犯罪に加わったときの処罰規定を新設する組織犯罪処罰法改正案を国会に提出した。
改正案は「死刑、無期、長期4年以上の自由を剥奪する懲役、あるいは禁錮の刑にあたる犯罪」を共謀罪適用の対象にしている。
しかし、計画段階で摘発されることについて、民主党など当時の野党が「捜査当局の運用次第では、『集まった』という理由だけで罪のない一般人まで罪に問われ、人権侵害につながる恐れがある」などと激しく反発した。日弁連なども反対し、改正案は廃案となった。16年と17年にも提出したが、いずれも廃案となっている。民主党政権では改正案の提出はなかった。
政府は、これまで廃案になった法案の内容を変えない前提で再提出することを検討する。国際社会から関連法を早期に整備するよう要請を受けてきたことに加え、東京五輪開催が決定したことをきっかけに法整備の必要性を訴える方針だ。
◇国際組織犯罪防止条約◇
国際社会全体が協力してアルカーイダのような国際テロ組織の組織犯罪を未然に防止することを目的として、国連が2000(平成12)年11月の総会で採択し、03年9月に発効した。重大犯罪の合意や犯罪収益の資金洗浄などを処罰する国内法整備などを義務付けている。177カ国(9月19日現在)が締結。日本は平成12年12月に条約に署名したが、国内法が未整備のため締結には至っていない。
(転載終了)
【参考】
『盗聴法(組織的犯罪対策法)に反対する市民連絡会』
http://www.anti-tochoho.org/
<共謀罪 Q&A>
Q1:「共謀罪」って、どんな犯罪なんですか?
法務省は2004年7月30日、「犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高度化に対処するための刑法等の一部を改正する法律案」を国会に提出して、共謀罪の新設を求めました。
その内容は表にまとめましたが、簡単に言えば、約560種類もの犯罪(新資料では619種類)について、実行を「合意」した段階で処罰するというもの。「合意」を犯罪とするということですから、その「合意」が実際に「実行」に移される必要はありません。
例えば、誰かが友だちに、「あいつムカつくから殴っちゃおうぜ」と言い、その友だちが「うんわかった」と答えると、それだけで犯罪を犯したことになるわけです。
長期(刑期の上限)4年以上の刑を定める犯罪について(合計で約560)
団体の活動として、対象となる犯罪行為を実行するための組織により行われるもの
処罰対象は、遂行を共謀(合意)した者
刑期は、原則懲役2年以下。死刑・無期・長期10年以上の処罰が科せられた犯罪の共謀は懲役5年以下
犯罪の実行着手前に自首したときは、刑は減免される
Q2:犯罪を犯すどころか、準備もしていないのに、罪に問われるの?
人が犯罪の遂行を思いついてから、実際に結果が発生するまでには、次のような段階があります。
1) 共謀=犯罪の合意
2) 予備=具体的な準備
3) 未遂=犯罪の実行の着手
4) 既遂=犯罪の結果の発生
これまで、殺人罪や強盗罪、爆弾関係の犯罪など、ごく限られた重大犯罪に限定されて、「予備罪」というものが適用されていました。予備罪とは、上に示したように、具体的な準備に着手したことをもって成立します。例えば、殺人を目的とした武器の購入などがこれにあたります。
一方、これまでも「共謀」を罪に問うている場合がありました。それが「共謀共同正犯」です。
「共謀罪が新設される」というと、少し法律を知っている人は、たいてい「それって、いまでも判例で認められている『共謀共同正犯』を法律に明記するだけでしょう」と答えます。弁護士の中にも誤解している人が大勢います。しかし、それはまったく違います。
「共謀共同正犯」では、処罰のためには少なくとも犯罪の実行が着手されていることが必要です。犯罪が現実のものとなっているときに、その責任を問える共犯者の範囲が問題となって、共謀に荷担しただけの者も責任を問えるというのが「共謀共同正犯理論」なのです。
これらと共謀罪の大きな違いは、準備も含めた実行行為が着手されていなくても、その合意だけで罪が成立するという点です。犯罪の「合意」とは、2人以上の者が犯罪を行うことを意思一致することであり、それ以上の、例えば誰かに電話をかける、凶器を買うといった犯罪の準備行為(合意を促進する行為)に取りかかることすらも処罰の要件となっていません。つまり「予備罪」よりも前の段階、そして実行を伴わない「共謀」も罪に問おうというものなのです。
ちなみに、アメリカの共謀罪では、少なくとも準備行為が開始された事実が必要とされています。また、ほかの多くの国々でも、犯罪の「準備行為」「合意を促進する行為」が要件とされています。つまり世界的には、これらの要件が最低限不可欠であると考えられているわけで、法務省の提案は世界の中で突出していると言えるでしょう。
Q3:どんなことが共謀罪の対象になるの?
共謀罪には、対象犯罪(それについて合意したら罪に問うという犯罪)が約560種類もあります。いわゆる犯罪である刑法犯に限らず、商法や消費税法、水道法、道路交通法など、日常の生活に直接関係のある法律の違反も対象となっています。
詳しくは巻末の対象犯罪一覧をご覧いただくとして、ここでは、想定可能な具体的なケースを三つほど例示します。
○ケース1
Aさんが同僚のBさんに、横暴な上司を殴ってやろうと持ちかけ、これにBさんも合意したとします。2人とも共通の団体に所属しているので、AさんとBさんには、この段階で傷害の共謀罪が成立します。
○ケース2
労働組合に適用される可能性のある条項としては、例えば組織的強要、組織的逮捕・監禁の共謀罪の規定があります。「社長の譲歩が得られるまで、徹夜も辞さない手厳しい団交をやる」と決めただけで、組織的強要の共謀罪になりかねません。
○ケース3
市民団体に適用される可能性のある対象犯罪は、例えばテロ資金供与罪の共謀です。イスラエル軍の爆撃で破壊されたパレスチナの病院の復興資金を集める活動も、政府機関から見れば、背後にはテロ組織が存在しているとして、お金を集め始めただけでテロ資金供与罪の共謀罪に問われる可能性があります。
Q4:実行前に自首すれば、刑が軽くなるの?
この共謀罪では、実行着手前に警察に届け出た(自首した)場合は、刑を減免することになっています。これは、事件を未然に防止するための措置とされていますが、悪用される可能性も大いにあります。
どういうことかと言うと、誰かに犯罪を持ちかけた者が、そのときの会話を録音して、その後に警察に届け出た場合、持ちかけた者は処罰されず、これに同意した者だけが処罰されるようなことになりかねないのです。これを前述のケース1で見てみましょう。
○ケース1のつづき・・・
実はAさんは、このときの会話を録音していました。この会話の後、Aさんは録音テープを持って警察に出頭。Aさんは刑を減免され、Bさんはその後何もしていなくても逮捕され、2年以下の懲役刑に処せられることに。これは単なる冗談であったとBさんが主張しても、検察側の証人としてAさんが法廷に立ち、「Bは真剣でした」と証言すれば、おそらくその主張は認められないでしょう。
この刑の減免規定を使えば、極端な話、取り締まり機関が市民団体の中にスパイを送り込み、何らかの犯罪を持ちかけ、多くの関係者を罪に陥れるようなこともあり得ないことではないのです。
Q5:でも、「暴力団」や「テロ組織」を捕まえるための法律なんでしょ?
共謀を犯罪とする条件として、「団体の活動として、当該行為を実行するための組織により行われるもの」と法案では規定しています。つまり、1.共謀を行った者同士がひとつの団体に所属していること、2.組織による(2人以上が共同で行う)犯罪の実行が共謀されたこと、この二つが要件とされています。この規定は、1999年に制定された「組織的犯罪の処罰に関する法律」(組織的犯罪処罰法)の規定を踏襲したものです。
法務省は、この要件があるから無制限に拡大しないと説明しています。しかし、1.で言う「団体」には、何の定義もありません。と言うことは、犯罪性のない株式会社や市民団体、サークルなども対象になるということです。つまり、この法律は「組織犯罪集団」のみを対象とするものではなく、何らかの団体構成メンバーによる「共謀」を広く対象としているのです。
次に、2.の「組織」についてですが、これも非常に曖昧です。法務省は、「当該行為を実行するための組織により行われる」という要件によって、共謀罪は組織犯罪集団の行う犯罪に限定されていると説明しているようです。
しかし、より明確に犯罪行為を繰り返し行う組織が1.の団体内にあり、その組織によって行われることを要件としなければ、対象を「組織犯罪集団」に限定したとは言えません。もし、この共謀罪を組織犯罪集団の関与する犯罪に限定するつもりならば、法務省は、このことを誤解の余地のない形で法案に明記すべきです。しかし、明記していないということは、何か別の意図があるとしか考えられません。
結局、法務省がどのように説明しようと、対象が「暴力団」や「テロ組織」に限定されないのが共謀罪です。つまり、何でも・誰でも対象となるわけです。
Q6:そもそも、共謀罪の新設はなぜ提案されたの?
法務省は、法制審議会の会議で、国内に立法事実はないとも説明しています。つまり、この共謀罪を新設する現実的な必要性はないと言っているわけです。
ではなぜ、このような法案を提案したのでしょうか。
この法案に先立って、国会では2003年5月に「国連越境組織犯罪防止条約」(国会では「国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約」として議案が提出)の批准が承認されています。実は、この条約が共謀罪新設の根拠で、これを批准したために国内法整備が必要になったからだと説明しています。
この「国連越境組織犯罪防止条約」は、マフィアなどの国境を越える(=越境)組織犯罪集団の犯罪を、効果的に防止することを目的につくられたもの。現在、日本のほか、フランス、スペイン、ポーランドなど、30カ国(2003年2月10日現在)が批准しています。
この条約自体、問題がないわけではありません。しかし法務省は、条約批准を共謀罪新設の理由としながら、その法案は明らかに条約を逸脱しています。
条約第3条では、適用範囲を「性質上越境的なものであり、かつ組織的な犯罪集団が関与するもの」として、原則として越境組織犯罪に限定している
→法案では、この「越境性」と「犯罪集団の関与」が要件から抜け落ちている
条約第5条では、「合意を促進する行為」(予備的・準備的行為)を条件とすることを明文で認めている。
→法案では、こうした行為は不要。
特に1.については、「組織的な犯罪集団に関連した犯罪」に限定するよう、条約起草の過程で主張したのは、ほかならぬ日本政府でした。このような広範な処罰化は国内法の原則と相容れないと、共謀罪の制定に反対してさえいました。しかし、いったん条約が制定されると、このような慎重な姿勢を転換し、条約を上回る広範な立法を提案してきました。このような政府の対応は、明らかに自己矛盾です。
Q7:実際には、どうやって共謀を捜査するの?
共謀罪に対する捜査では、犯罪の捜査のあり方が一変するでしょう。何しろ共謀罪は「被害」のない犯罪ですから、犯罪場面からさかのぼって犯人を特定する従来の捜査手法では、到底対応できません。結局、まだ何の犯罪も犯していない人々を、日常的に監視することになるわけです。
そして、「合意」が犯罪となるわけですから、人々の会話や電話・メールの内容そのものが犯罪となり、その録音やデータが証拠となります。と言うことは、日常的な会話やメールそのものの内容を監視することが、共謀罪取り締まりの主要な部分となっていくことは誰でもおわかりになるでしょう。
そうなると、盗聴法が改悪されることは明白です。いまところ、盗聴法では四つの重大犯罪(殺人・麻薬取引・密航・銃器関連)だけを対象とし、盗聴できるのも通信(電話・FAX・メール)に限られています。しかし、いずれは適用範囲が拡大され、通信のみならず、室内会話も盗聴できるように法律が変えられていくでしょう。