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(朝鮮日報日本語版) 韓国で熟年離婚が急増、新婚の離婚率を初めて上回る

朝鮮日報日本語版 10月27日(日)8時27分配信

(朝鮮日報日本語版) 韓国で熟年離婚が急増、新婚の離婚率を初めて上回る

(写真:朝鮮日報日本語版)

 今年6月、Aさん(77)は54年間にわたり共に結婚生活を送ってきた夫のBさん(82)と完全に別れた。Aさんは何十年も続いたBさんの浮気に我慢できなくなり、2年前から離婚訴訟を行ってきた。教師だったBさんは2007年に元女生徒と密会してAさんに見つかり、覚書を書いたことまであった。若いころから浮気で泣かせてきたとはいえ、今になって妻が裁判所に離婚訴訟を起こすとは、Bさんは夢にも思っていなかった。

 ソウル高裁家事第3部(イ・スンヨン裁判長)は「夫(Bさん)は妻(Aさん)に慰謝料・財産分与で3億2000万ウォン(約3000万円)を支払うように」と結婚してから半世紀が過ぎたこの夫婦に離婚の判断を示した。高裁は「元女生徒との密会だけでなく、1960年代以降、長期にわたるBさんの女性問題や債務問題で夫婦間の愛情と信頼が徐々に失われ、最終的に婚姻関係が回復できないほど破綻した」と判断理由を明らかにした。

 このように20年以上も婚姻生活を続けてきた夫婦が別れる「中高年離婚」の割合が昨年過去最高を記録し、「新婚離婚」の割合を上回った。大法院(最高裁判所)が発刊した「2013年司法年鑑」によると、昨年韓国で離婚した夫婦11万4316組のうち、中高年夫婦の離婚は3万234組で、全体の26.4%を占めたという。30年以上一緒に暮らしながら離婚したケースも約8600組で、前年に比べ8.8ポイント増加した。

 中高年の離婚率は08年2万6942件(23.1%)、09年2万8261件(22.8%)、10年2万7823件(23.8%)、11年2万8299件(24.8%)と増加傾向にあったが、昨年は3万件を超えた。と同時に、これまで離婚夫婦の中で最も高い割合だった結婚4年以下の「新婚離婚率」(2万8204件、24.7%)を初めて上回った。

 統計庁が今年初めに発表した「韓国の社会動向2012」でも、中高年の離婚件数の急増が顕著だ。統計庁は「1990年以降は婚姻期間が短い夫婦の離婚率が減少する一方で、婚姻期間が20年以上の夫婦の離婚率が約5倍に増えた」としている。1990年に比べ、11年は婚姻期間が4年以下の夫婦の離婚率は12.6ポイント、5−9年の夫婦の離婚率は10.1ポイントそれぞれ減少したが、 婚姻期間20年以上の夫婦の離婚率は同期間で19.6 ポイント増加している。

 ソウル家庭裁判所のキム・ヨンヒ調停委員(69)は「中高年層の結婚観が変わってきたほか、最近は裁判所が離婚訴訟で財産分割をする際の家事労働について、その価値を高く評価しているため、結婚生活を我慢して送ってきた女性が熟年離婚を決心するケースが大幅に増えた」と分析する。さらに「婚姻届提出を先送りし、まず同居生活から始める男女が増えているため、統計上、中高年夫婦の離婚率が新婚夫婦の離婚率を上回っているように見えるのだろう」と説明した。

 そして「『嫌でも我慢して暮らせば鈍くなる』という言葉もあるが、配偶者に対する満足度は年を取れば取るほど下がるのが現実で、それも原因の一つのようだ」と指摘した。「明日死ぬとしても、残りの人生を一日でも心安らかに生きたい」と考え、離婚の意思を曲げないケースが多いというわけだ。

 事実、統計庁の調査では配偶者に対する満足度は加齢とともに低下している。女性は55−59歳で配偶者に対し最も満足度が低く、男性は70−74歳での満足度が最も低かった。男性の配偶者満足率は71.8%で、女性の配偶者満足率59.2%よりも12.6ポイント高かった。

最終更新:10月27日(日)18時16分

朝鮮日報日本語版

 
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